京成の主力形式のひとつである京成3700形。
京成の通勤車両では初めてVVVFインバータを採用し、京成本線の他、直通先の都営浅草線・京急線・北総線の運用に就いたり、はたまた、一部編成は北総鉄道にリース車両として出向するなど、京成グループのユーティリティープレーヤーとして活躍しています。
そんな3700形ですが、どうやら、デビュー当初は10両編成を見越していたようです。
製造時から10両編成化を構想
突然ですが、京成電鉄のホームページに、各車両形式を紹介している「車両図鑑」というページが存在します。
車両図鑑のページ自体は簡単な内容となっているため、鉄道趣味ガチ勢には乏しいボリュームなのですが、詳細が記載されている車両パンフレットのPDFのリンクがしれっと貼られています。
もちろん、そこには本記事の主役である3700形のパンフレットも用意されており、その2ページ目に、
この車両は8両編成ですが、将来は中間に2両を増備して10両編成とすることを考慮しました。
と記載があります。
このパンフレット、3700形がデビューした1991年当時のもの。なので、3700形は10両編成化を視野に入れて設計されていたことが見て取れます。
ですが、何故、3700形が10両編成化の対象としていたのかは不明で、今となっては分かりません。恐らく、成田空港への輸送増加を見越したものと考えられます。
そして、2022年現在も、3700形の10両編成化は行われていません。
一部の駅では10両編成に対応しているが…
2代目AE形・スカイライナーの10両編成化の記事でも記載しましたが、京成本線の主要駅では、10両編成対応のホーム有効長となっています。
準備は出来ていますが、実際に京成が10両編成を運用するのかは不明です。
ただし、ホームだけでは、10両編成で運用することは出来ません。ダイヤの見直しは当然ですが、信号機の設置位置や制限速度の見直しなど、課題は山ほどあります。
また、3700形の8両編成は都営浅草線・京急線への直通運転が可能な仕様となっているため、3700形を10両編成化してしまうと、直通可能な編成が減ってしまいます。
もし仮に、3700形が10両編成で運用することになった場合、編成あたりの定員が増えるというメリットがありますが、やはりデメリットとなる部分が多く、実現することは限りなく不可能に近いと考えられます。
編集後記
鉄道趣味的にはロマンのある話ですが、夢だけで飯を食べることは出来ませんからね…😿