特に目新しいことではないので、備忘録的な何かとして記録です。
2023年1月18日に京急が公開した、機関投資家・アナリスト向けの資料で、省エネ車両の導入率について記載がありました。2021年度末時点で、約98%が省エネ車両ということらしいです。
非省エネ車両は2%
100%から98%を引き算すると、2%が非省エネ車両ということは明らかですね。
それは良いとして、
- 「省エネ車両」の定義って何?
- 残りの2%の車両は?
という部分を少し辿ってみます。
「省エネ車両」の定義
省エネ車両の定義を同じ資料の中に記載して欲しいところですが、残念ながら記載されていません。
では別の資料を…というわけで、設備投資計画では、「省エネ⾞両への代替による使⽤電⼒量の削減」として、1500形から新1000形(2代目1000形)の置き換えが記載されています。
左上の「運転用エネルギーの違い」というイラストで、界磁チョッパ制御と比較してVVVF制御が37%減少とあります。
尚、京急公式HP内になる「環境のために」というページでは、
電車のブレーキ時に発生する電力を架線に戻し、ほかの電車の動力源として有効活用できる「電力回生ブレーキ」を備えた「界磁チョッパ制御方式」を1978年度から採用。1990年度からは、さらに電力回生効率を高めた「VVVF制御方式」を採用しています。
なお、2010年度に従来型の抵抗制御車両が廃止となり、全車両が「電力回生ブレーキ」を備えた省エネ車両となりました。
とあるように、読み手によっては、全車両が省エネ車両と捉えられる様な記述もありますが、あくまでも「省エネ効果のある電力回生ブレーキを全車両で採用していますよ」ということをアピールしたいと考えられます。
なので、設備投資計画の記載内容を採用した場合、「省エネ車両」というのは、界磁チョッパ制御からVVVF制御に変える(界磁チョッパ制御車両をVVVF制御車両に置き換える)ということで差し支えないでしょう。
残りの2%の車両は?
全体の約98%の車両が省エネ車両、そして「省エネ車両=VVVF制御車両」と考えた場合、非省エネ車両は残りの2%であることは誰でも分かります。100から98を引くだけですので。
では、残りの2%はどの車両なのか。上記写真でネタバレしていますが、1500形の4両編成×4本です。
京急のプロなら、製造年月・メーカー・機器構成込みで、全列車の編成表が頭の中に叩き込まれているみたいですが、残念ながら私はそうではないので、『私鉄車両年鑑2022』 (イカロス出版)の力を借ります。
『私鉄車両年鑑2022』によると、
- 京急全体の車両数:804両
- 営業用車両:796両
- VVVF制御車両:780両
- 界磁チョッパ制御車両:16両
となっています。
パッと見た感じ、界磁チョッパ制御の16両が、残り2%の非省エネ車両ですが、念のため計算します。
16両(界磁チョッパ制御)÷796両(全体)=0.0201…なので、約2%ですね。
というわけで、非省エネ車両は、界磁チョッパ制御車両である16両、1500形1501編成・1517編成・1521編成・1525編成の4両編成×4本(16両)で間違いないことがわかります(まあ、設備投資計画に「界磁チョッパ制御」と書いてるので当然ですが)。
編集後記
2022年度は新造車両が無かったけど、2023年度から置き換え始まるみたいだから、いよいよ京急の界磁チョッパ車両もカウントダウンね😿
参考文献
『私鉄車両年鑑2022』 イカロス出版
関連リンク
2023年1月18日 ESGミーティング資料(機関投資家・アナリスト向け)|京浜急行電鉄
😼ランダムで記事を見る😽