京成3700形は1991年から登場した京成電鉄の通勤形車両。京成の通勤車では初めてVVVFインバータを本格的に採用し、京急線・都営浅草線へ直通する前提で設計されている。
ほぼ同タイプの北総鉄道7300形や、見た目は全然異なるが、住宅・都市整備公団9100形が3700形に準拠して製造された他、3700形の一部編成が北総鉄道・千葉ニュータウン鉄道にリースされており、京成グループの標準的な車両としても活躍している。
京成3700形超概説
京成3700形は1991年から登場した、京成電鉄の通勤形車両です。
車両のコンセプトは、「メンテナンスの容易化」「省エネルギー化」「乗り心地の向上」「旅客サービスの向上」の4つを掲げ、京成の通勤車両では初めてVVVFインバータを採用、乗降促進用の車外スピーカーの設置するなど、京成車両の近代化を一気にすすめました。
尚、8両編成と6両編成しか在籍していませんが、当初設計では、中間車を2両増備して10両編成での運用を想定しています。しかし、京成線内で10両編成の運用が存在しないため、10両編成で姿を見せることはありません。
諸元
製造年 | 1991年~2002年 |
製造数 | 15編成120両(1編成8両) 2編成12両(1編成6両) 合計:132両 |
MT比 | 6M2T(8両編成) 4M2T(6両編成) |
車体 | 軽量ステンレス |
台車 | ボルスタ付きSUミンデン式台車 |
最高速度 | 120km/h(営業運転)、120km/h(設計) |
加速度 | 3.5km/h/s |
減速度 | 4.0km/h/s(常用)、4.5km/h/s(非常) |
制御方式 | GTO-VVVFインバータ |
全長 | 18,000mm |
全幅 | 2,760mm |
全高 | 3,990mm 4,050mm(パンタ車) |
基本的なスペックは、京急線・都営浅草線に直通可能な水準となっており、120km/h走行が可能なことから、成田スカイアクセス線への運用も可能です。
尚、3848編成のみ、試験的にボルスタレス台車の時期があり、試験結果は2代目AE形にフィードバックされています。
運用
8両編成は京成線内での優等種別と、京急線・都営浅草線への直通運用に、6両編成は京成線内・千葉線・千原線の各駅停車の運用および、一部快速の運用に就いています。
120km/h走行が可能なため、成田スカイアクセス線での走行も可能で、稀に、成田スカイアクセス線へアクセス特急運用に就くこともあります。
デザイン
車体前面のデザインは京成で初めてフェイスを採用。貫通扉の位置を正面向かって右側に設置し、貫通扉に種別表示器を設置、正面向かった右上に行先表示器など、これまでの京成とは一線を画す仕上がりになっています。
また、AE100形で採用されたヒューマンレッドとフューチャーブルーの帯を施し、以降の京成通勤車両のカラースキームとして定着しました。
尚、車両前面の前照灯・尾灯・標識灯は1次車~5次車、6次車以降の2パターンに分かれています。
製造時 | 前照灯 | 尾灯 | 標識灯 | 備考 |
1次車~5次車 | 下部 | 下部 | 上部 | 前照灯と尾灯が横並び ※内側が前照灯・外側が尾灯 |
6次車以降 | 上部 | 下部 | 下部 | 尾灯と標識灯が縦並び ※上側が標識灯・下側が尾灯 |
車内風景については、オンタイム様(個人サイト様)とStyle-Train Graphics-様(個人サイト様)にてお楽しみください。
関連リンク
参考資料
『鉄道ピクトリアル No.787 2007年3月号臨時増刊 【特集】京成電鉄』 株式会社電気車研究会