阪急は京阪との統合時代を経て、現在の神戸線・宝塚線・京都線の3本線が成立しています。京都線の駅のほとんどは新京阪時代に新設されたものです。
…が、河原町延伸や大阪万博などで新設された駅もあり、2000年を過ぎてからも新駅が誕生しています。
では、京阪が分離独立した後に、阪急が新設した駅はどのくらいあるのでしょうか?
京阪の分離独立
1943年、戦時中の国策によって阪急(当時は阪神急行電鉄)と京阪が合併し、京阪神急行電鉄が誕生しました。
戦争が終わり、1949年12月1日、旧京阪の経営陣たちが阪急から分離独立しましたが、新京阪線は阪急側に残され、阪急京都本線に改称されます。
現在の阪急の駅は、ほとんど京阪と合併していた時代より前に誕生していますが、その後も新駅が設置されています。
京阪の分離独立以降の阪急が新設した駅
では、京阪が分離独立した1949年12月1日以降に新設された駅を見て行きましょう。
路線 | 駅名 | 開業日 |
宝塚線 | 庄内 | 1951年5月15日 |
宝塚線 | 雲雀丘花屋敷 | 1961年1月16日 |
京都線 | 烏丸 | 1963年6月17日 |
京都線 | 河原町 | 1963年6月17日 |
千里線 | 南千里 | 1963年8月29日 |
千里線 | 吹田 | 1964年4月10日 |
千里線 | 関大前 | 1964年4月10日 |
千里線 | 北千里 | 1967年3月1日 |
千里線 | 万国博西口駅 | 1969年11月10日 |
京都線 | 南茨木 | 1970年3月8日 |
千里線 | 山田 | 1973年11月23日 |
京都線 | 洛西口 | 2003年3月16日 |
京都線 | 摂津市 | 2010年3月14日 |
京都線 | 西山天王山 | 2013年12月21日 |
1949年以降、合計14駅が新規開業しています。阪神電鉄・山陽電鉄が共同利用している神戸高速線は除外しています。
宝塚線
庄内駅は1951年に請願駅として開業しています。そして開業の5年後、1956年に庄内事件が発生しています。
雲雀丘花屋敷駅は、雲雀丘駅と花屋敷駅を統合して誕生した駅であり、花屋敷駅は1910年開業、雲雀丘駅は1916年開業という長い歴史を持っています。
千里線
千里線の南千里駅以北については、万博開業および千里ニュータウンの開発に伴う延伸です。
吹田駅は東吹田駅(吹田駅)・西吹田駅(市役所前駅)が共に1921年に開業しており、近くにあった2駅を統合しています。
関大前駅も吹田駅と同様に、近くにあった花壇町駅(1921年開業)・大学前駅(1922年開業)を統合しています。
京都線
京阪の分離独立以降、京都線の新駅設置が最も多く、合計6駅です。
烏丸駅と河原町駅は河原町延伸によるもので、祇園祭が中止になるほどの大きな工事でした。
南茨木駅は大阪万博開催にともなう開業です。1990年に大阪モノレールの南茨木駅が開業し、大阪モノレールとの接続駅になりました。
2000年代に入って、2003年の洛西口駅、2010年の摂津市駅、2013年の西山天王山駅と、3つも新駅を設置しています。いずれも再開発の一環による新駅設置です。
神戸線
神戸線は、京阪の分離独立以降、新駅は設置されていません。1937年に武庫之荘駅が開業して以降、神戸線の駅の顔触れは変わっていません。2022年時点で、85年もの間、神戸線に新駅が設置されていないことになります。
武庫川新駅の設置が検討されていますが、こちらは時期未定です。
編集後記
戦前に三宮まで開業した時点で、既に路線の完成形が見えていたのかもしれませんね😺
参考文献
『京阪神急行電鉄五十年史』 京阪神急行電鉄株式会社編纂
『75年のあゆみ 記述編』 阪急電鉄株式会社 編
『100年のあゆみ 部門史』 阪急阪神ホールディングス株式会社グループ経営企画部 (広報担当) 編
関連リンク
【鉄道歴史ミステリー】阪急に「奪われた?」新京阪鉄道|鉄道プレス様(個人サイト)