東武の新型スペーシア導入が発表された時に、製造数が24両と明記されていました。おや?と思う方も多かったと思います。100系スペーシアが9編成54両なので、置き換えるにしても数が合いません。
2021年度末から2022年度明けにかけて100系スペーシアに動きが発生していることや、2021年度の決算説明会でも気になる発言など、スペーシア純減状態で新型スペーシアが置き換えられるかもしれない状況になって来ました。
2021年度末のスペーシアの状況
2021年度末時点の東武100系スペーシアの状況を確認してみます。
まず、『私鉄車両年鑑 2022』では、東武100系104Fと105Fが休車扱いになっています。104Fについては、廃車回送及び解体作業の目撃情報があるため、編成表上では休車扱いですが実質廃車です。
また、運用状況については、104Fが2022年3月3日で運用から外れています(廃車回送・解体へ)。105Fも2022年3月11日以降の運用に就いておらず、2022年3月12日のダイヤ改正以降の運用に就いていないことなります。
つらつらと書きましたが、まとめると以下の表の状況です。
編成 | 私鉄車両年鑑 | 運用調査 | 目撃情報 |
101F | 運用中 | 運用中 | |
102F | 運用中 | 運用中 | |
103F | 運用中 | 運用中 | |
104F | 休車 | 3/3が最後 | 廃車回送 解体作業 |
105F | 休車 | 3/11が最後 | |
106F (JR直通) |
運用中 | 運用中 | |
107F (JR直通) |
運用中 | 運用中 | |
108F (JR直通) |
運用中 | 運用中 | |
109F | 運用中 | 運用中 |
2020年度末の状況と比べると、2021年度末時点で編成数は2本減の状態です。
スペーシア純減で新型スペーシアに置き換えの可能性も?
先述した通り、2021年度末の時点の状況ではスペーシア全9編成から2本減って7編成の体制になっていることがわかります。運用中の7編成の内訳は、東武線内用は4編成、JR直通用は3編成です。
この東武線内用4編成の体制、よくよく考えると、2023年に導入される新型スペーシアの新造数と同じです。
なので、2021年度末の100系スペーシアの体制(運用中7編成・休車2本)と新型スペーシアのプレスリリースを突き合わせると、純減の状態で新型スペーシアに置き換える可能性があるということです。
2023年の新型スペーシア及びスペーシアの予測としては、次の様になるのではないでしょうか。
編成 | 私鉄車両年鑑 | 予測 |
101F | 運用中 | N100系置き換え? |
102F | 運用中 | N100系置き換え? |
103F | 運用中 | N100系置き換え? |
104F | 休車 | 純減? |
105F | 休車 | 純減? |
106F (JR直通) |
運用中 | 当面残る? |
107F (JR直通) |
運用中 | 当面残る? |
108F (JR直通) |
運用中 | 当面残る? |
109F | 運用中 | N100系置き換え? |
JR東日本と直通運転を実施している106F・107F・108Fは新型スペーシアの運用開始後、直通用機器を一時的に新型スペーシアに搭載して、入念な試運転後に置き換えが行われると考えられます。採算が採れないとの経営判断が下されるなら削減という結果になるかもしれませんが、新型スペーシアのJR直通が行われるか否かは2024年以降の話でしょう。
とは言え、休車扱いの100系105Fが運用復帰したら話が変わりますので、何とも言えない部分もあります。
決算説明会で全体的な保有数削減の示唆
2022年5月20日に公開された「2021年度決算説明会質疑応答」で、車両保有数の削減についての質疑が行われています。
Q.同業の中でも保有車両数が多いと認識している。車両削減によるコスト低減の効果をどのようにみているのか。
A.当社の車両保有数は 1,800 両程度である。本年3月実施のダイヤ改正により、通勤車両を 40 両削減したほか、特急車両も 6 両編成で運行していたものの一部を3両編成の 500系に置き換えており、将来的には伊勢崎線、日光線において 500 系を基本とした運行による予備車の削減を目指している。お客様の行動やニーズに見合った車両運用にすることで、全体的な保有数を段階的に減らしていきたいと考えている。―2021年度決算説明会質疑応答|東武鉄道より引用
質疑応答の中で、2022年3月のダイヤ改正における通勤車両40両削減と、6両編成運行の特急の一部を3両編成の500系に置き換えていることを述べています。
将来的なことについても言及しており、具体的にどの形式をどのくらい削減する予定なのかは明記されていませんが、「全体的な保有数を段階的に減らしていきたい」と述べていることから、特急車両も例外ではない可能性があります。
拡大解釈で恐縮ですが、現状のスペーシアの運用体制本数を考慮すると、スペーシア純減状態で新型スペーシアに置き換えということも、可能性としてゼロでは無いと考えられます。
編集後記
鉄道ファン目線だと寂しい話だけど、経営維持のためには仕方ないわね😿
関連リンク
参考資料
『私鉄車両年鑑2022』 イカロス出版