京急1000形は、アルミ車とステンレス車で前面形状の様相が異なります。
京急では600形以降、バルーンフェイスと呼ばれる三次元曲面のデザインを採用していますが。しかし、ステンレス車からデザインを少し変更しており、ワイパーカバーの撤去や塗装の変化はパッと見て分かります。
あまり気に留める人が多いのかは定かではありませんが、600形~1000形アルミ車と1000形ステンレス車のフロントガラスにも目を向けると、分割枚数にも差異が見られます。
フロントガラスの枚数
早速ですが、600形~1000形アルミ車と1000形ステンレス車のフロントガラスの枚数を見比べてみましょう。
左側が1000形アルミ車、右側が1000形ステンレス車です。アルミ車はフロントガラスが2分割、ステンレス車はフロントガラスが5分割されていることが分かります。
それぞれちゃんと数えてみましょう。まずは1000形アルミ車。
- 運転台側…1枚(①)
- 非常用貫通扉側…1枚(②)
となっています。
続いて1000形ステンレス車。
- 運転台側…1枚(①)
- 非常用貫通扉側…1枚(②)
- 種別・行先表示器…1枚(③)
- 前照灯(左右1か所ずつ)…2枚(④・⑤)
で、合計5枚のフロントガラスです。
何故、フロントガラスを5分割するのか
では、何故、フロントガラスを5分割したのでしょうか。
残念ながら、その理由を言及している資料を発見することが出来ませんでしたので、当サイトで勝手に推測します。理由としては、安全性を考慮した結果と考えられます。
例えば、走行中に種別・行先表示器あたりのガラスに小さな破損が発生したとします。
1000形アルミ車までの様に、運転台のフロントガラスが種別・行先表示器と前照灯(正面から見て右側)を覆っている車両の場合、破損個所から運転台正面まで亀裂か大きくなる可能性があり、そうなると視界不良となり、運転に支障をきたします(亀裂が入った時点で停止するとは思いますが)。
一方、1000形ステンレス車の様に、運転台のフロントガラスと種別・行先表示器のフロントガラスが分割されている場合、破損個所から亀裂が大きくなっても種別・行先表示器のフロントガラスのみでとどまり、運転台のフロントガラスに亀裂が広がることがありません。
フロントガラスが増えることで、パーツ点数が増えて、管理・点検コストが上がりますが、安全性を第一に考慮するのであれば、1000形ステンレス車でのフロントガラス5分割は理にかなったと言えます。
もちろん、ちょっとやそっとでは車両のフロントガラスは破損しませんが、リスクを最大限に考慮した安全対策と言えます。
編集後記
どっちの顔もすき😽