阪神の複々線区間は、大物駅から尼崎駅の間に存在しています。大物駅と尼崎駅はお互い隣の駅で、阪神の複々線区間はたったこれだけです。しかも、大物駅と尼崎駅は歩いて行ける距離に位置しています。
大物駅から尼崎駅にしかない、しかも徒歩圏内にある阪神の複々線区間…いったい何故なのでしょうか?
阪神の複々線区間の距離
阪神電鉄の複々線区間は、大物駅と尼崎駅の間にだけ存在しています。大物駅から尼崎駅の営業キロは「営業キロ程表・大人普通旅客運賃表」で公開されており、0.9kmです。
『R&M : Rolling stock & machinery. 7(7)(586)』でも阪神電鉄の担当者が次の様に述べています。
大物駅は西大阪線が分岐する駅で、次の尼崎駅までの0.9kmの区間は当社線唯一の複々線区間となっています。
―『R&M : Rolling stock & machinery. 7(7)(586)』 日本鉄道車両機械技術協会 13ページより
…が、営業キロは運賃計算目的のため、京阪の滝井~土居の例に漏れず、実キロ(実際の距離)は公表されていません。
なので、阪神電鉄にお願いして営業を止めてもらい、実際に計測してみます…というのは不可能ですので、ここは、Google先生のお力(Google Earth)で距離を測ってみます。
その結果がコチラです。
目印となる様に駅アイコンと駅アイコンを結んで計測しています。
その距離、約829.18m。京阪の滝井~土居よりも流石に遠いですが、徒歩でも行ける距離です。
一応(?)、両駅のホームの端から端の距離も計測してみます。
当然、両駅のホームの端と端を結べば、距離は更に短くなり約606.44mです。ただ、滝井~土居の様に、ホームの端と端でジャンケンは出来る様な距離ではありません。
何でこんなに近い?
何故、大物駅と尼崎駅がこんなにも近いのか。
大物駅は、阪神本線と阪神なんば線の合流・分岐する地点です。隣の尼崎駅以西は複線となっています。
そのため、大物駅と尼崎駅の間で線路を立体交差させて、尼崎駅で方向別に整理し、尼崎駅を出たところで複線に集約します。
では実際にスカイダイビングして空撮してみましょう…と思いましたが、無理そうなので再び Google Earth を見てみます。
実際に地図上で見てみるとこんな感じです。
北東からは阪神本線が伸びており、南東からは阪神なんば線が伸びています。
尼崎駅以西は複線となるため、大物駅から尼崎駅に入るまでに、阪神なんば線の上下線の頭上を阪神本線下り線が跨ぎ、駅では方向別に整理しています。
尼崎駅から大物駅方面を見ると…
ごちゃっとしてますが、阪神本線の下り線路の下を、阪神なんば線の上下線が通っているのが分かります。
編集後記
近いわね😺
参考資料
『R&M : Rolling stock & machinery. 7(7)(586)』 日本鉄道車両機械技術協会