記事内に広告が含まれています。
【スポンサーリンク】

【謎】機器更新後に直通できなくなった京急1000形1001編成

2代目京急1000形は2002年から製造され、登場から15年経過した2017年から、更新工事が行われました。1000形のドレミファインバータは順次その歌声を奪われることになりますが、京急1000形のトップナンバー1001編成は、更新工事の結果、ある悲劇が起こりました。




京急1000形の更新工事

京急は製造後15年経過した車両について、更新工事を実施しています。2017年、1000形も例によって、1000形1001編成から順次、1000形アルミ車両の更新工事を実施しました。

1000形アルミ車両の主な更新内容について、パッと見て分かるものは、

  • 内装機材の交換(化粧板・床・ドア・貫通扉などの取り換え)
  • 車内案内表示器をLCD化
  • 非常用ハシゴと消火器の格納
  • 電球→LED交換(室内灯・運転台計器・前照灯・標識灯・尾灯など)
  • フルカラーLED導入(種別&行先表示器)
  • けいきゅんステッカー貼り付け
  • 床下機器更新(制御装置や主電動機など)

などなど。細かいところはもっとありますが、ここでは割愛します。

鉄道ファン的に気になったのは、「VVVFインバータ交換」でしょう。シーメンスGTO-VVVFインバータ、いわゆるドレミファインバータの交換が1000形アルミ車両でも始まったのです。

尚、2100形では既にドレミファインバータから東洋製IGBT-VVVFインバータに交換されています。京急1000形の更新は、歌う電車の消滅がいよいよ迫って来たと実感させる出来事でもありました。


1000形1001編成が更新工事を施された結果…

さて、2017年に更新された1001編成は更新工事を経て運用に復帰しました。その結果、京急線内から出ることが出来ない状態になりました。ところが、2019年に更新工事が実施された1009編成は、都営浅草線・京成線に直通できています。

搭載機器がよろしくない?

1001編成の機器更新では、シーメンスGTO-VVVFから三菱電機製のフルSiC-VVVFインバータに取り換えられています。1000形16次車1177編成で採用されたものと同タイプです。そして1177編成以降で三菱電機製フルSic-VVVFインバータを採用している8両編成は直通出来ています(ただし、登場から約3年半は京急線内のみの運用)。

一方、1009編成の機器更新時には2100形の機器更新で採用された東洋電機製造のIGBT-VVVFインバータを採用しています。

それぞれ一覧にするとこんな感じ。

2100形
更新後
1000形1001編成
更新後
1000形1009編成
更新後
1000形1177編成
VVVF IGBT-VVVF(東洋) フルSiC-VVVF(三菱) IGBT-VVVF(東洋) フルSiC-VVF(三菱)
制御装置 RG6008-A-M形(東洋) MAP-194-15V296形(三菱) RG6008-B-M形(東洋) MAP-198-15V295形(三菱)
主電動機 TDK6163A形(東洋) MB-5171-A形(三菱) TDK6163A形(東洋) MB-5171-A形(三菱)
直通 泉岳寺まで 不可 可能 可能
【備考】
・1009編成以降の機器更新で8両編成はIGBT-VVVF(東洋)に換装
・1177編成から8両編成ではフルSic-VVVF(三菱)を搭載し、2016年度製造にもかかわらず、直通したのは2020年度。

単純に「1001編成のVVVFインバータが直通先で何らかの影響を与える可能性がある」と考えたとしても、同じ三菱フルSiC-VVVFインバータを搭載している1177編成が直通出来ているので、なかなか考えにくいです。


機器の構成がよろしくない?

1001編成と1177編成以降の各車両に搭載している主要機器を編成表ベースで見てみます。

1001編成 デハ1000形 サハ1000形 サハ1000形 デハ1000形 デハ1000形 サハ1000形 サハ1000形 デハ1000形
(Muc) (Tpu) (Tu) (Mu) (Ms) (Ts) (Tps) (Msc)
VVVF・CP SIV・BT VVVF VVVF SIV・BT VVVF・CP
1177編成以降 デハ1000形 デハ1000形 サハ1000形 デハ1000形 デハ1000形 サハ1000形 デハ1000形 デハ1000形
(M2uc) (M1u) (Tu) (M1u) (M2s) (Ts) (M1s) (M2sc)
SIV VVVF CP VVVF CP VVVF SIV

気になるところとしては、VVVF搭載車両が1001編成は4両、1177編成以降は3両。

となると、三菱フルSiC-VVVFを搭載した車両が編成内に4両あると直通出来ないと考えられます…が、都営浅草線5500形は8両編成中6両に三菱フルSiC-MOSFETのVVVFインバータを搭載しており、何事も無く浅草線内を走行しています。

なので、機器構成は要因の一つかもしれませんが、主たる原因とは言いにくいかもしれません。

迷宮入り案件

あとはインターネット上でささやかれている誘導障害の話。可能性としては考えられますが、「誘導障害だから直通出来ない」というのは、何をもってその結論に至ったのかは不明です。その発信元を辿るのは不可能に近いです。

1001編成が直通出来ていないという事実があるだけで、その真相は闇の中となっています。


解禁されてる…?

2023年7月31日に、泉岳寺入線が解禁されているみたいですね。

編集後記

不思議な話ですね😺💧

関連記事

【謎】何故、京急600形608編成ではVVVFとSIVのメーカーが混在していたのか?
京急600形と言えば、京急のバルーンフェイスの始祖であり、地下鉄線直通の通勤形車両でありながらクロスシートでもあり、しかもツイングルシートという非常にトリッキーな機構を備えた車両として話題を呼びました。 更新工事でロングシート化され、京急線続きを読む

関連リンク

京急電鉄、新1000形1001編成を更新 – 車体に「けいきゅん」も|マイナビニュース

参考文献

『鉄道ピクトリアル No.935 2017年8月号臨時増刊 【特集】京浜急行電鉄』 株式会社電気車研究会

『鉄道ファン 2017年12月号』 交友社

『鉄道ファン 2021年6月号』 交友社

😼ランダムで記事を見る😽

鉄道イベント情報(鉄道コムtetsudo.comより)

日付 イベント
3月24日(日)
3月25日(月)
3月26日(火)
3月27日(水)
3月28日(木)
3月29日(金)
3月30日(土)
3月31日(日)
4月1日(月)
4月2日(火)