阪神なんば線の伝法駅から淀川に向かって歩くと、堤防に踏切があります。その踏切道の直ぐそばに、なんと、ダイヤモンドクロッシング…のようなものが存在しています。
何故、こんなところにダイヤモンドクロッシングのようなものが存在しているのでしょうか。
ダイヤモンドクロッシング…?
このダイヤモンドクロッシング…みたいなものは、阪神なんば線の線路と陸閘(りくこう)のための線路です。
陸閘(りくこう)というのは、堤防を切って設けられた河川への出入り口を閉鎖する門のことです。
阪神なんば線の伝法駅・福駅の近くにある阪神陸閘(りくこう)は、淀川橋梁が計画堤防高よりも低い位置に橋があるため、高潮時に、この阪神陸閘(りくこう)を閉鎖して越水に対応する役割を担っています。
ただし、高潮時にすぐさま両岸の阪神陸閘(りくこう)を閉鎖できるという絶対的な保障があるとは限りません。
万が一、陸閘(りくこう)の閉鎖が間に合わなかった場合、堤防を越水して河川氾濫し、災害が発生してしまう可能性があります。
改築事業のパンフレット『阪神なんば線淀川橋梁改築事業について』には、淀川橋梁の改築前の浸水被害想定イメージがあります。
これは…とんでもないことですね。
そのため、現行の淀川橋梁を今よりも高い位置に新しく架け替える、「阪神なんば線淀川橋梁改築事業」が行われています。
阪神陸閘は除去される予定
「阪神なんば線淀川橋梁改築事業」と言うのは、簡単に言うと、現在の淀川橋梁を新しく架け替えるというものです。
写真の右側が現在の淀川橋梁。左側が建設中の新しい淀川橋梁です。
「阪神なんば線淀川橋梁改築事業」のポイントとしては2点。
- 新しい橋梁は橋脚本数を減らす(39本→10本)
- 今の淀川橋梁より高い位置に架橋し、阪神陸閘(りくこう)を除去する
橋脚本数を減らすことで、洪水を安全に流すことが可能になり、氾濫の可能性を低くします。
また、現行の淀川橋梁よりも高い橋梁を建設し、阪神陸閘(りくこう)そのものを無くして、堤防の越水を未然に防ぐという効果が期待されます。
災害防止の他、伝法駅の踏切を除去するため、人や車の往来もスムーズになるというメリットもあります。
編集後記
ダイヤモンドクロッシングみたいなものが無くなるのは鉄道趣味的に少し寂しいけど、安全を考えると早く切り替えた方がいいわね😺
関連リンク
阪神なんば線淀川橋梁改築事業について|国土交通省近畿地方整備局 淀川河川事務所