「エレガント・サルーン」「コンフォート・サルーン」「シティ・コミューター」とは、京阪電気鉄道における、車両の愛称のこと。
それぞれ、大阪・京都・京阪沿線を象徴するセンテンスを選んでおり、愛称の雰囲気に合わせたイメージカラーを纏っている。
京阪車両の愛称
京阪電気鉄道の車両には愛称が3種類あります。
「エレガント・サルーン」「コンフォート・サルーン」「シティ・コミューター」の3つです。
愛称 | 形式 | 分類 |
エレガント・サルーン | 8000系 | 2ドア・クロスシートの特急用車両 |
コンフォート・サルーン | 3000系(2代目) | 3ドア・セミクロスシートの中之島直通優等車両 |
シティ・コミューター | その他形式 | 3ドア・ロングシートの一般車両 |
2008年の中之島線開業に伴い、イメージカラーを一新し、車両にも愛称をつけました。
新しいイメージカラーは京阪伝統のツートンカラーを踏襲していますが、間に細い帯を入れて上昇感のあるグラデーションを演出しており、伝統を残しつつも新しい感覚の雰囲気を醸し出しています。
また、愛称には、それぞれの意味とコンセプトが定められています。
エレガント・サルーン
エレガント・サルーン(Elegant Saloon)は、京阪8000系の愛称です。
スペル | 意味 | |
エレガント | elegant | 優雅 |
サルーン | saloon1 | 応接室 |
8000系は京阪線で最もグレードが高い車両と位置付けられており、愛称に「優雅」という意味の「エレガント」が用いられました。
カラーリングのコンセプトは、京阪特急の伝統色である黄色と赤色が施されています。
位置 | 配色 |
上部 | 赤色(エレガント・レッド) |
帯線 | 金色(エレガント・ゴールド) |
下部 | 黄色(エレガント・イエロー) |
「雅やかなハレの気分で、京都へゆったり旅が出来るように」という意味が込められた配色は、赤色・黄色・金色の組み合わせ。
十二単・紅葉・祝祭・金蒔絵など、京都のエレガントなイメージを連想させるカラーデザインとなっています。
コンフォート・サルーン
コンフォート・サルーン(Comfort Saloon)は、2代目京阪3000系の愛称です。
スペル | 意味 | |
コンフォート | comfort | 快適 |
サルーン | saloon2 | 応接室 |
3000系は8000系に次いでグレードが高い車両と位置付けられており、快適な空間を提供する車両という意味で、「コンフォート」が用いられました。
カラーリングのコンセプトはスマート。優雅さを象徴する8000系に対し、紺・銀・白が用いられ、風流かつ現代的な感覚を表現しています。
位置 | 配色 |
上部 | 紺色(エレガント・ブルー) |
帯線 | 銀色(スマート・シルバー) |
下部 | 白色(アーバン・ホワイト) |
紺色は堂島川・土佐堀川を含む淀川水系の流れといった大阪と、京のれん・紺袴などの京都の伝統と格式を、銀色の帯や白色は大阪の都市のきらめきと京都の石庭の川の流れを表現しており、3000系は大阪と京都、両都市の雰囲気を纏ったカラーデザインとなっています。
シティ・コミューター
シティ・コミューター(City Commuter)は、京阪の通勤形車両形式の愛称です。
スペル | 意味 | |
シティ | city | 都会 |
コミューター | commuter | 移動手段 |
カラーリングのコンセプトは、樟葉から淀にかけて緑が広がる沿線風景と、成長・発展・若々しさといった京阪の企業カラー。
位置 | 配色 |
上部 | 濃緑色(レスト・グリーン) |
帯線 | 黄緑色(フレッシュ・グリーン) |
下部 | 白色(アーバン・ホワイト) |
京阪が伝統的に採用していた配色を一新し、京阪の伝統色であるグリーンに白色を織り交ぜて、現代的感覚がより際立ったカラーデザインとなっています。
関連リンク
京阪線車両のカラーデザインを一新します(2008年リリース)|京阪電気鉄道
参考資料
『鉄道ピクトリアル No.822 2009年8月号臨時増刊 【特集】京阪電気鉄道』 株式会社電気車研究会