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【超概説】京阪3000系(2代目)<コンフォート・サルーン>

2代目京阪3000系は京阪電気鉄道の特急形(優等列車用)車両。愛称はコンフォート・サルーン。

中之島線の開業と同時に快速急行用の車両としてデビューしたが、中之島線の利用が予測よりも下回ったことにより、徐々に京阪本線の特急を補完するポジションに落ち着いた…と思いきや、プレミアムカーを導入し、8000系「エレガント・サルーン」に勝るとも劣らないグレードを誇っている。




京阪3000系(2代目)超概説

2代目京阪3000系は、2008年の京阪中之島線開業に合わせて登場した優等列車専用車両1です。

2009年にはローレル賞とグッドデザイン賞を受賞したこともあり、8000系と同じく京阪の顔としても注目される機会が多いです。2022年には、プレミアムカーである3850形がローレル賞を受賞したことにより、京阪3000系は2度もローレル賞を受賞したことになりました。

片側3ドアでドア間は2列+1列のクロスシート、車端部はロングシートのセミクロスシートとなっており、座席の表地に東レ製のスエード調マイクロファイバー素材である「エクセーヌ®」を採用する等、通勤と観光の両シーンに対応できる空間を提供しています。

2021年には8000系で好評だったプレミアムカーを3000系でも導入しており、8000系の保管としての位置づけにとどまっていた3000系は、8000系に勝るとも劣らないグレードを誇っています。

諸元

製造年 2008年
2021年(プレミアムカー)
製造数 6編成48両(1編成8両)
プレミアムカー:6両
→合計54両
MT比 3M5T
車体 アルミニウム合金(efACE)
台車 ダイレクトマウント空気ばね台車
・M車:軸梁式
・T車:モノリンク式
最高速度 110km/h(営業運転)、120km/h(設計)
加速度 2.8km/h/s
減速度 4.0km/h/s(常用)、4.3km/h/s(非常)
制御方式 IGBT素子VVVFインバータ制御
全長 18,900mm(先頭)
18,700mm(中間)
全幅 2,782mm
全高 4,138mm

中之島線の快速急行用という位置づけで製造されたため、製造編成数は6本のみ。

6000系以降で採用されていたアルミニウム合金のダブルスキン構造を引き続き採用しており、京阪では初のefACE2を採用しています。

制御方式は、10000系で採用されたIGBT素子VVVFインバータ制御を引き続き採用していることから、京阪3000系同様、優等列車の運用に就く形式には実績のあるものを採用していることがわかります3


運用

プレミアムカーを導入しているということもあり、特急・快速急行がメインで、快速特急「洛楽」の運用にも就いています。そして、当初の3000系の目的であった「中之島線の優等列車」としての役割が消滅してしまい、中之島線に入ることは無くなっています。

過去、中之島線の優等列車を主体としていましたが、中之島線の利用実績が予想を下回ったことによって、年月を経るとともに徐々に本線の運用にシフトしています。

デザイン

2代目京阪3000系では、GKデザイン総研広島が車両デザインを担当。

「風流の今様」をコンセプトとして、花鳥風月の「月」をモチーフとした円弧デザインを車両内外に施しています。

カラーリングは、スマートな水都大阪と古都京都の優雅さを表現するため、車体上部をエレガント・ブルー、車体下部をアーバン・ホワイトとしたツートンカラーになっており、アクセントとしてスマート・シルバーの帯を纏っています。

京阪3000系(2代目)編成表

記号 意味
VVVF VVVFインバータ
SIV 静止形インバータ
CP 空気圧縮機
< > パンタグラフ
M 電動車
c 制御車
T 付随車
登場時
8両編成 3000形 3500形 3600形 3700形 3150形 3550形 3750形 3050形
VVVF・CP SIV VVVF・CP SIV VVVF・CP
Mc T T T M T T Mc
3001F 3001 3501 3601 3701 3151 3551 3751 3051
3002F 3002 3052 3602 3702 3152 3552 3752 3052
3003F 3003 3503 3603 3703 3153 3553 3753 3053
3004F 3004 3504 3604 3704 3154 3554 3754 3054
3005F 3005 3505 3605 3705 3155 3555 3755 3055
3006F 3006 3506 3606 3706 3156 3556 3756 3056
↓2021年1月30日にプレミアムカー導入↓
プレミアムカー導入後
8両編成 3000形 3500形 3600形 3700形 3150形 3850形 3550形 3050形
VVVF・CP SIV VVVF・CP SIV VVVF・CP
Mc T T T M T T Mc
3001F 3001 3501 3601 3701 3151 3851 3551 3051
3002F 3002 3052 3602 3702 3152 3852 3552 3052
3003F 3003 3503 3603 3703 3153 3853 3553 3053
3004F 3004 3504 3604 3704 3154 3854 3554 3054
3005F 3005 3505 3605 3705 3155 3855 3555 3055
3006F 3006 3506 3606 3706 3156 3856 3556 3056
【備考】
 プレミアムカー(3851~3856)導入に伴い、3751~3756は2022年現在も余剰車両となっている。



関連リンク

車両紹介 3000系|京阪電気鉄道

京阪電気鉄道株式会社 新3000系電車電気品(東洋電機製造 納入実績PDF)

エクセーヌ® | TORAY

京阪グループ新世紀に向けたブランドコンセプトに基づき京阪線車両のカラーデザインを一新します|京阪電気鉄道

2009年ブルーリボン・ローレル賞選定車両 ローレル賞:京阪電気鉄道 3000系|鉄道友の会

2021 年 1 月より「プレミアムカー」サービスを拡大します|京阪電気鉄道(インターネットアーカイブ)

2022年 ブルーリボン・ローレル賞選定車両:京阪電気鉄道 3850形|鉄道友の会

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5月17日(金)

注釈

  1. 中之島線で運行される快速急行用に製造されたが、状況の変化とともに本線の特急にも就くようになり、プレミアムカーを導入したため、「中之島線の快速急行専用」とは言えなくなっている。
  2. 川崎重工(現在は川崎車両)の車両ブランド。efACEとしても初めての導入実績。
  3. 尚、制御装置は東洋電機製造製のRG6004-A-Mを搭載しており、京成2代目AE形(スカイライナー)が搭載しているRG6009-A-Mは、京阪3000系で採用された制御装置をスカイライナー用に発展特化したもの。