コロナ禍以降、鉄道各社で活発になっている輸送実験。トラックで運送していた郵送荷物を、鉄道車両の空きスペースを利用して運送して、色々なものが試験的に運ばれています。
東武鉄道においては、2020年10月にスペーシアが温泉を運ぶというインパクトのある輸送実験を実施し、2021年10月も70000系が空き缶を運んでいました。
さて、そんな東武の輸送実験ですが、今度はチーズケーキを運びます。
スペーシア「チーズケーキ運びます」
温泉、空き缶と運んだ東武ですが、今度はチーズケーキを運びます。
実験概要
「特急列車による冷蔵品輸送」実証実験 | |
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実施期間 | 2022年3月18日(金)~4月3日(日) ※うち、特定日6日 |
参加企業 | ・東武鉄道:鉄道輸送、車内冷蔵庫の提供 ・東武商事:チーズケーキの販売 ・日光総業株式会社(明治の館):チーズケーキ製造 |
使用列車 | 東武100系・スペーシア 【3月18日】(けごん14号) 東武日光駅7:37発 →とうきょうスカイツリー駅9:29着 【3月20日以降】(けごん24号) 東武日光駅10:42発 →とうきょうスカイツリー駅12:30着 |
実験初日の3月18日のみ、7時台から輸送がスタートします。
チーズケーキの値段は、サイズ大が3,240円(税込)、サイズ小が1,944円(税込)。
実験の目的
チーズケーキを輸送する今回の実験。輸送実験そのものの目的は、車内空きスペースの有効活用と、沿線の特産品・名産品などを都心に運んで、販売状況のデータ収集です。
注目すべきは、100系スペーシアに備え付けられている冷蔵庫の活用です。
2021年8月31日に、100系スペーシア・500系リバティで車内販売営業が終了となりました。そのスペーシアの3号車のビュッフェ(売店)には冷蔵庫が備え付けられており、その冷蔵庫にチーズケーキを入れて、東京ソラマチまで運びます。
車内販売のサービスは終了していますが、今回の実験の様に、スペーシアに備え付けられている冷蔵庫を活用することで輸送品の鮮度を保つことが出来るので、輸送できる商品が増える可能性があります。
輸送の流れ
輸送実験は特定日の6日に実施され、いずれも東武日光駅からとうきょうスカイツリー駅までのルートです。
時刻① | 時刻② | 場所 | 工程 |
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7:20頃 | 10:20頃 | 東武日光駅 | チーズケーキ受け取り |
7:30頃 | 10:42頃 | 東武日光駅 | 列車積み込み |
9:29頃 | 12:30頃 | とうきょうスカイツリー駅 | 荷下ろし |
9:00~20:00 | 12:40~20:00 | 東京ソラマチ1階 「空の小町」 |
チーズケーキ販売 |
【備考】 ・時刻①:2022年3月18日(金)のみ ・時刻②:2022年3月20日(日)、3月23日(水)、3月26日(土)、3月29日(火)、4月1日(金) ・チーズケーキは当日売り切れ次第販売終了 |
冷蔵庫を使うメリットは?
明治の館さんのチーズケーキ 日瑠華(ニルバーナ)は、賞味期限が7日間ですが、要冷蔵10℃以下です。
要冷蔵の条件だけ見ると、クーラーボックスにドライアイスを詰めれば保存条件はクリア可能ですが、ダイヤ乱れによって到着が遅れると、ドライアイスにも限界が来てしまいます。冷蔵庫であれば大幅に到着が遅れてもドライアイスが溶けるという心配はありません。
しかし、冷蔵庫といっても、積載には限界があります。
チーズケーキは化粧箱入りで、化粧箱のサイズは、小サイズが「横:20cm × 縦:20cm × 高さ:5cm」、大サイズが「横:23cm × 縦:23cm × 高さ:5cm」なので、結構スペースを取ります。そのため、大量に運ぶことは難しいです。
今回の実験に関しては、「冷蔵庫を使うことで、商品の鮮度を保てるか」を目的としているので、積載量に関しては二の次になると思います。ただし、冷蔵庫を活用した事業化を実施する場合、サイズ限界と要相談となります。
編集後記
チーズケーキおいしそうね😺🍰
関連リンク
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特急列車における車内販売営業の終了並びに飲料自動販売機の販売終了について|東武鉄道