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なにわ筋連絡線・新大阪連絡線の開業で、阪急は狭軌車両を製造できるのか?

産経新聞の報道では、阪急が2031年開業を目標としている、新大阪連絡線・なにわ筋連絡線を「狭軌」で建設することが判明しています。

うめきた新駅(大阪駅地下ホーム)からなにわ筋連絡線を通って南海が乗り入れる予定です。南海は狭軌なので、地下区間を走行する基準を満たす車両であれば、なにわ筋連絡線・新大阪連絡線にそのまま乗り入れることが可能です。

しかし、阪急は神戸線・宝塚線・京都線ともに標準軌なので、狭軌の車両を新たに製造する必要があります。果たして、阪急は狭軌車両を製造するのでしょうか?



車両だけなら開業前に製造可能だが…

産経新聞の報道では、なにわ筋連絡線・新大阪連絡線の線路幅に「狭軌」を採用することが述べられていますが、狭軌車両を製造するのかは言及されていません。

阪急が狭軌車両を自前で用意する場合、車両の製造は車両メーカーに発注するので特段問題ではありません。ただし、大きな問題が2点あります。

  • 既存の車両基地に留置スペースが無い
  • 新たな狭軌用の留置スペース・車両整備工場の用地確保が困難

では、誰にも頼まれていませんが、上記2点を勝手に掘り下げてみましょう。

既存の車両基地に留置スペースが無い

阪急に詳しい方ならご存知だと思いますが、既存の阪急の車両基地は、もうキャパシティがありません。

阪急公式Twitterでも、京都線における収容能力の限界を説明しています。

仮に、正雀まで狭軌用のレールを敷いたところで、留置線のキャパシティが無いと本末転倒です。

もしかしたら、神戸線の西宮車庫や、宝塚線の平井車庫に余剰を作れるかもしれませんが、西宮車庫と平井車庫では全般検査までしか実施できないため、あまり意味がありません。

なので、必然的に、既存の設備以外で留置スペースと車両整備工場を用意する必要があります。



新たな用地の確保が困難

既存の車両基地・車両整備工場が使えないとなると、新たに建設するしかありません。

しかし、なにわ筋連絡線・新大阪連絡線から延伸して、その先で適切な車両基地・車両整備工場の候補地を探すことも困難です。

大阪市のハザードマップを見ると、西淀川区・淀川区・東淀川区ともに海抜が低いです。

「大阪市全域の浸水想定図(【河川氾濫】(堤防が決壊した場合)①淀川が氾濫した場合(平成29年6月公表))」大阪市HPより

仮に、西淀川区・淀川区・東淀川区のどこかに狭軌用の車両整備工場を建設したとして、淀川で氾濫が発生した場合、狭軌用の車両整備工場が甚大な被害を受けることになります。

もし、西淀川区・淀川区・東淀川区を避けて、阪急沿線圏で車両基地・車両整備工場を建設する場合、神崎川の河川流域以北に建設することになります。そこまで延伸するための建設費用や敷地確保の資金は莫大な金額になり、淡路の立体交差事業のように用地買収に手間取った場合は時間もかかります。

そうなると、2031年の開業までに、阪急が自前で車両基地・車両整備工場を用意するのは、到底間に合いません。



南海側が留置と車両整備を引き受けたら…?

なにわ筋連絡線・新大阪連絡線に乗り入れる南海電鉄側が「阪急さん、うちが引き受けるさかい」と言ってくれたらどうでしょうか。

もし、南海側が保守整備を引き受けるのであれば、阪急側が狭軌車両を自前で持つ可能性が出てきます。

もちろん、南海もボランティアでそんなことはするとは思えないので、阪急側がお金を払う必要がありますし、必要な部品の調達は阪急側負担となります。

しかし、阪急側がお金を払えば解決…ではなく、南海側の留置キャパシティも考慮する必要があります。また、保守整備を南海側が行う場合、南海側の車両整備や保守点検の計画を練り直す必要も出てくるため、「お金払えばいいや」というだけではなかなか難しいです。



奥の手はJR西日本…?

うめきた新駅(大阪駅地下ホーム)から新大阪まで繋がる予定なので、十三~なにわ筋連絡線経由~うめきた新駅(大阪駅地下ホーム)まで車両を走らせて、そこからスイッチバックで新大阪まで走らせたら、吹田総合車両所まで到達できないこともありません。

とは言え、そんなことをJR西日本が許可するのかは不明です。もし仮に、吹田総合車両所で阪急の狭軌車両の保守整備を引き受けることが可能であれば、JR西日本の区間に阪急マルーンが走るという、とんでもないことが起きてしまいますね。



編集後記

この話、阪急単体で決めることは不可能で、行政側(大阪府と府下の市町村)・南海・JR西日本と調整が必要ですね😿

関連リンク

<独自>阪急十三駅と新大阪、うめきたを結ぶ新線、13年開業へ|産経新聞

”津波・水害から命を守るために”水害ハザードマップ|大阪市

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