かつて、阪急京都線の淡路~茨木市の複々線化を、国から提言されていたみたいです。阪急社史と都市交通審議会の答申(第13号)を確認しました。
ただし、実現に向けて具体的な進展等が全くないので、単なるメモとして残しておきます。
淡路~茨木市の複々線化?
阪急京都線の淡路~茨木市の複々線化について。
阪急電鉄の社史『75年のあゆみ 記述編』の90ページにおいて、都市交通審議会の答申について言及しており、
(前略)
「大阪圏における高速鉄道を中心とする交通整備状況に関する基本計画について」(答申13号)が答申された。これによると、当社京都本線の輸送力増強ならびに東海道新幹線との接続を目的とした十三―新大阪―淡路間の「新大阪連絡線」と、淡路―茨木市間の複々線化が採り上げられている。―阪急電鉄株式会社『75年のあゆみ 記述編』90ページ
と記載されています。答申13号というのは、都市交通審議会答申第13号のことです(1971年12月8日付の答申)。
答申第13号を確認
都市交通審議会答申第13号を見れば、阪急京都線・淡路~茨木市の複々線化が浮上した件が、本当かどうか確認出来るのですが、都市交通審議会は現存しないため、国土交通省のホームページ上で閲覧することは出来ません。
また、どういう理由かは不明ですが、国立公文書館をはじめとしたデジタルアーカイブについても、答申第13号は閲覧できませんでした。つまりインターネット上で閲覧は不可能です。
そうなると、原本を閲覧できる場所に行かないと確認出来ません。なので行ってきました。大阪市立中央図書館に。
で、答申第13号の7~8ページには、
2.既設鉄道路線の線増
(中略)
(7) 京阪神急行電鉄 京都本線
淡路―茨木市 2線増設(複々線化)―都市交通審議会「大阪圏における高速鉄道を中心とする交通網の整備増強に関する基本的計画について(答申第13号)」7~8ページより引用
と記載されています。確かに、阪急社史の記述の通り、都市交通審議会の答申第13号に「淡路~茨木市の複々線化」が記載されていました。
また、付録の「参考図1 大阪圏高速鉄道網図(大阪周辺)」に、淡路~茨木市の間に「線増」という矢印があります。
どうして「淡路~茨木市」を複々線化?
なぜ、淡路~茨木市の複々線化が答申第13号で取り上げられたのか、正直なところ、理由は不明です。
「輸送力増強」というのが答申第13号のテーマですが、複々線にする必要があるという理由と、具体的かつ明確な根拠となる記載は答申第13号内にありません。補足資料も特になしです。付録に混雑率が掲載されていますが、最混雑区間の記載があるだけです。
ちなみに、答申第13号には、淡路~茨木市の複々線化だけではなく、その他の路線も複々線化・複線化が取り上げられています。阪急京都線の淀川対岸を走る京阪本線でも、守口市以北の複々線化や京阪交野線の複線化について記載があります(もっとも、交野線の複線化は答申第13号が出る前に着手していましたので、答申第13号は後出しですが)。
参考文献
『75年のあゆみ 記述編』 阪急電鉄株式会社 編
「大阪圏における高速鉄道を中心とする交通網の整備増強に関する基本的計画について(答申第13号)」都市交通審議会