2002年に登場し、今も尚、製造され続けている京急2代目1000形。2022年度の設備投資計画にも記載されている通り、1500形置き換えのために、2代目1000形引き続き製造される予定です。
まだ、1500形は残っていますが、その次に置き換え対象になりそうなのが1994年に登場した600形。果たして、1000形は600形まで置き換えてしまうのでしょうか?
600形の運用変化
1000形が600形を置き換える可能性は…という話の前に、600形の運用の変化を簡単に説明します。
600形は、登場当初と現在で運用が変わっています。
600形1次車~3次車は製造時に、「ツイングルシート」を採用しており、
- 3ドアのうち中央のドアを締め切って2000形と同等の運用に就く
- 3ドア状態で直通運用
という600形特有の運用を目的としていました。端的に言えば、2ドア車両と直通可能車両の良いとこ取りです。
しかし、「ツイングルシート」が不評だったこともあり、中央ドア締め切りの運用はほぼ行われておらず、600形4次車では「ツイングルシート」すら採用されていません。また、更新工事の際には「ツイングルシート」の機構は廃止され、ロングシート化されています。
更新工事以降、600形は1500形・1000形と同等の運用に就いており、「600形だけが就くことが出来る運用」というのはありません。
600形の置き換え候補は?
さて、600形が置き換えられる可能性としては2パターンが想定されます。
- 1000形で置き換え
- 新形式で置き換え
それぞれ掘り下げてみましょう。
1000形で置き換え
まず、1000形で600形を置き換えるパターン。
600形の現在の運用を見る限り、1500形・1000形と同じ運用に就いていることから、1000形で600形を置き換える可能性は充分にありえます。
例えば、今でも600形が「ツイングルシート」やそれに近い機構を搭載しており、1500形や1000形と異なる運用に就いていれば話は別です。しかし、600形が特別扱いされている訳ではありません。
なので、600形と運用目的が同じである1000形で置き換えても、特に問題は無さそうです。
新形式で置き換え
新形式で600形を置き換えるパターン。
ただし、今の京急に新形式が必要なのかは疑問です。
検査時や車両故障時の代走を考えると、汎用性の高い1000形を製造し続けた方がメリットがあります。もちろん、1000形1890番台という新形式を与えても良いような車両もいますが、1000形1890番台も早朝のモーニング・ウィング号運用を除いて、日中の運用は他の車両と同等です。
仮の話ですが、1500形・1000形、もしくは2100形とは別で、特殊な運用に就くという前提で製造されるのであれば、新形式を製造し、600形が置き換え対象になるかもしれません(「600形が残っていれば」という但し書きが付きますが)。
でも京急ならワンチャン…?
色々書きましたが、ひょっとしたら、600形の登場当初に搭載した「ツイングルシート」のリベンジをする可能性もあります。
「1000形1890番台で事足りるのでは?」と思いますが、モーニング・ウィング号の増結という大切な役目があるので、全く別物の「L/Cカー」というものを登場させることも大いに考えられます。
例えばですが、ガラガラで有名(?)な「ウィング号」を拡大する含みを持たせた新形式が登場する可能性もあります。「ウィング号」は土休日ダイヤの日中に実施されており、2100形の快特に限定されています。
その「ウィング号」を土休日ダイヤで運行本数を増やしたり、平日ダイヤの日中に拡大するために、8両編成の一部車両に「L/Cカー」を搭載した新形式が出現するかもしれません。
編集後記
色々考えても、それを上回るものを世の中に送り出すのが京急なのかもしれませんね😺
参考文献
『鉄道ピクトリアル No.935 2017年8月号臨時増刊 【特集】京浜急行電鉄』 株式会社電気車研究会
『車両技術. (205)』 日本鉄道車輌工業会
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鉄道イベント情報(鉄道コムtetsudo.comより)