阪急9300系の特徴の一つとして挙げられる屋根カバー。
屋根カバーがあることで、他の車両形式よりも大きく見え、9300系の存在感を引き立てます。
ただ、先日発表された新2300系・新2000系には屋根カバーは採用されていないことを見ると、やはり屋根カバーは不要だったと考えられます。
9300系の屋根カバー
9300系は京都線の特急形車両である6300系の後継車両として製造されました。
6300系は屋根をアイボリー塗装したことが大きな特徴の一つです。9300系は6300系で取り入れた屋根のアイボリー塗装を発展するように思わせる、屋根カバーを採用しています。
この9300系(と9000系)の屋根カバー、今までの阪急の外観には無い要素で、直線的な車体の天頂に向かって曲線を描いており、重厚感があります。
9300系の幅は、8300系の 2,850mm よりも少々短い 2,800mm (車体幅は 2,780mm )ですが、やはり屋根カバーの存在が大きいのか、9300系の方がどことなく大きく見えます。
この屋根カバーが醸し出すその存在感が、京都線の花形、ひいては阪急の花形という重要な役割を担っていることを無意識的に連想させてくれます。
新2300系では採用されず
9300系・9000系で採用された屋根カバーですが、2013年に登場した1000系、2014年に登場した1300系では採用されていません。
1000系・1300系が特急形ではないことを割り引いて採用されなかったと仮定すれば、次の特急形車両では屋根カバーが採用されるはず…と思いきや、新2300系のイメージパースを見ると…
新2300系には屋根カバーは採用されていません。デザインは1000系・1300系の発展形と言えるものとなっており、9300系・9000系の印象はそれほどありません。
やっぱいらんかったんやなって…
9300系・9000系で採用した屋根カバーですが、次の特急形車両の新2300系で採用されていないことから、別に屋根カバーは必要なかったと考えられます。
阪急は6300系・9300系と言う特急形車両で外観の新要素を取り入れて来ましたが、新2300系で取り入れた新要素は曲線です。車両正面、いわゆる車両の顔において、てっぺんのおでこ部分や、窓ガラスの底辺部に曲線を取り入れています
9300系の屋根カバーについては以前も取り上げましたが、屋根カバーの実用的な機能と言うものは、阪急公式や鉄道趣味誌でも言及されていません。恐らく、他の形式との外観の差別化だったと考えられます。
京都線特急の外観の差別化は、6300系の屋根アイボリー塗装、9300系の屋根カバーと屋根部分にスポットを当てていますが、新2300系という新たな特急形車両で採用された外観の差別化が、曲線だったと言うことになります。
ちなみに、阪急公式Twitterが過去に言及していますが、屋根カバーから連続している屋根飾り部分には小さな穴が開いており、その穴がクーラー内部の車外スピーカーの音を通りやすくしています。
なんとも言葉では言い表せない美しさを感じる、9000系・9300系の屋根の肩部のアール。
そして、それにつながる飾り屋上カバーのアールも。
ちなみに、
小さな穴の空いてる部分はクーラー内部にある社外スピーカーの音を通りやすくするためのもの。 pic.twitter.com/nRB9EIdSGv— 阪急電鉄 【公式】 (@hankyu_ex) May 27, 2018
勘の鋭い方なら分かると思いますが、屋根飾りが無ければ、屋根飾りに穴を開ける必要がありません。つまり、無くていいものと言えます。
編集後記
ねこ的には9300系の屋根カバー好きなんだけど、もう屋根カバーは採用しないかもね😿
関連リンク
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