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【南海】何故、「なにわ筋線」と「なにわ筋連絡線・新大阪連絡線」の両方を必要としたのか?

2022年12月27日に産経新聞から報道された、阪急のなにわ筋連絡線・新大阪連絡線の2031年開業方針。これにより、南海が新大阪駅まで到達するルートとしては、JR西日本・東海道線支線ルートと阪急十三駅ルートの2つになるます。

でも、どうして南海は、東海道線支線と十三の2つのルートを必要としたのでしょうか?



新大阪~うめきた新駅(大阪駅地下ホーム)の経由ルート

まず、なにわ筋・なにわ筋連絡線・新大阪連絡線を運行予定の、JR西日本・阪急・南海の経由ルートを簡単に整理しましょう。

新大阪~うめきた新駅 経由ルート
事業者 東海道線支線 新大阪連絡線
なにわ筋連絡線
JR西日本
南海
阪急

JR西日本は、うめきた新駅から東海道線の支線を経由して、新大阪駅に乗り入れるルートのみです。

阪急も、なにわ筋連絡線~十三駅~新大阪連絡線を経由して、新大阪駅に到達するルートのみとなります。

JR西日本と阪急は自社線を使いますが、南海は、JR西日本・阪急のそれぞれのルートを使用して、うめきた新駅~新大阪駅を運行し、関西空港への直通列車を運行する予定です。



南海は2ルート確保?

なにわ筋線を共同建設しているJR西日本と同じルート(東海道線支線経由)を、南海が使用したらいいのでは?と思えるでしょう。確かにそうですが、それでも、南海は阪急のルートを使用して新大阪駅への到達を目指しています。

これは、うめきた新駅~新大阪駅のルートが、なにわ筋線建設と別事業であることが要因です。

うめきた新駅以北の事業に、南海は参画していない

うめきた新駅~新大阪駅は、「JR東海道線支線地下化事業」「新駅設置事業」で実施されるものであり、大阪市・JR西日本の事業です。つまり、(公益発展の云々は置いといて)うめきた新駅~新大阪駅、関西空港への直通列車はJR西日本が優先ということを、JR西日本側が主張しても特に変な話ではありません。

簡単に言うと、こんな感じ。

JR西日本「南海さん、うめきた新駅までなら分かりますわ。なにわ筋線、一緒に作ってるんやから。でもな、そっから先は、(大阪市と)ウチでやってるんや。せやから、ウチの列車が優先的に走らせてもらうで。別に変な事ちゃうやろ?な?」(暗黒微笑)1

南海「グギギ…せやな、JRさんの言う通りや…ほんなら、ウチも出るとこ出るわ!」ギリギリギリ(歯ぎしり)2

上記の様なやり取りがあったかは不明ですが、いずれにしても、列車運行において、うめきた新駅~新大阪駅でJR西日本側が優先されても、南海は文句が言えません。

ただ、全く南海が乗り入れ不可というわけではなく、2017年5月23日の産経新聞の報道で、南海も新大阪乗り入れが判明しています。「完全に乗り入れ不可」ではありませんが、恐らく、南海の直通列車が制限されると考えられます。



それなら阪急ルートで運行本数を確保

というわけで、降って出て来たわけではありませんが、2022年12月27日の産経新聞の報道で、新大阪駅~十三駅~うめきた新駅の阪急ルートが報道されています。

2031年のなにわ筋線開業に合わせて開業を目指す方針です。(間に合うかどうかは別として)これで、南海直通列車が新大阪駅へのアクセスにおいて、阪急ルートも確保出来たと見て良いでしょう。

この動き、2017年3月16日の産経新聞の報道が具体化の初動と考えられ、大阪府・大阪市・JR西日本・南海・阪急が協議して、2017年5月23日に共同リリースが発表されています。

先述した様に、うめきた新駅~新大阪駅はJR西日本と大阪市の事業のため南海は参画しておらず、南海直通列車の列車本数が制限されたと仮定すると、阪急側も巻き込んで、十三経由のルートで新大阪駅への列車本数を確保したと考えられます。



所要時間的には東海道線支線経由だが…

うめきた新駅~新大阪駅の2つのルート、双方の詳細な所要時間は未だ発表されていませんが、東海道線支線経由の方が、うめきた新駅~新大阪駅の所要時間は短いでしょう。

ただ、うめきた新駅~新大阪駅の工事は、大阪市とJR西日本が中心になって建設している事業のため、南海直通列車の運行本数が制限されるのは致し方ありません。

そこで、阪急十三経由(なにわ筋連絡線・新大阪連絡線)のルートを確保することで、新大阪駅に通じる列車本数を確保するため、阪急も巻き込んだと考えられます。

(南海のことを悪く言うつもりは毛頭ありませんが)南海側が言葉巧みにエサをぶらさげたり、(実際にあるのかは不明ですが)役所の偉い人達が圧力をかけたとしても、最終判断は当事者である阪急が決めることなので、阪急としては別に知らんぷりしてもいいわけです。

結果的に、うめきた新駅~新大阪駅の所要時間が不利になるであろう阪急側が、なにわ筋連絡線・新大阪連絡線の事業に踏み切ったということは、阪急側も神戸線・宝塚線・京都線3から、関西空港へのアクセスを確保することで、投資するであろう巨額の資金をペイ出来ると考えたのでしょう。

それ以外にも阪急・南海の双方のメリットは考えられますが、それはまた別の機会に考えてみたいと思います。



編集後記

楽しみね😺

関連リンク

「なにわ筋線」に阪急乗り入れへ 事業計画案、大阪府、JR西など5者が協議|産経新聞

南海「ラピート」新大阪乗り入れ、「なにわ筋線」4駅を新設 事業計画発表へ|産経新聞

なにわ筋線の整備に向けて|大阪府・大阪市・JR西日本・阪急・南海共同リリース

<独自>阪急十三駅と新大阪、うめきたを結ぶ新線、13年開業へ|産経新聞

JR東海道線支線地下化・新駅設置事業パンフレット|大阪市

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注釈

  1. 標準語訳:南海さん、うめきた新駅までは一緒になにわ筋線を建設してますよね。それは本当にありがたいことです。ですが、うめきた新駅から新大阪駅までは、(大阪市と)弊社が主体となって取り組んでいる事業です。そのために色々と調整して事業を進めています。なので、弊社の運行を優先させて頂きたいと思います。
  2. 標準語訳:そうですね、JRさんのおっしゃる通りです。仕方ありませんね。他の方法を考えます。
  3. 京都線については淡路駅→大阪メトロ堺筋線線→天下茶屋駅で乗り換えというルートが既にある。