1989年に登場した京阪8000系。フラッグシップ車両として登場し、エレガント・サルーンの愛称で親しまれています。ダブルデッカーとプレミアムカーを有しており、名実共に京阪随一の車両と言っても過言ではありません。
ところで、この8000系、登場からそろそろ35年が経過しようとしています。
登場から30年以上経過ている8000系
京阪8000系は1989年に登場した京阪の特急形車両です。既に登場から30年が経過しており、2024年10月には登場から35年経過します。
京阪特急を歴任した車両は割とコンスタントに次世代車両にバトンタッチしています。初代3000系3505Fは8531Fに改番して生き残り続けましたが、それでも初代3000系は京阪特急の定期運用に就いていたのは22年です。
形式 | 製造 | 京阪特急の就役期間 | |
初代 | 1700系 | 1951年~1953年 | 1951年~1956年 |
2代目 | 初代1800系 | 1951年~1953年 | 1953年~1963年 |
3代目 | 1810系 | 1956年~1958年 | 1956年~1963年 |
4代目 | 1900系 | 1963年~1964年 | 1963年~1973年 |
5代目 | 初代3000系 | 1971年~1973年 | 1971年~1993年 ~2013年(3505Fのみ) |
6代目 | 8000系 | 1989年~1993年 (1997年~1998年) |
1989年~現役中 (97~98年はダブルデッカー) |
歴代の京阪特急車両と比べると、登場から30年以上経過している8000系の運用期間は頭一つ抜けて長いと言えます。
アルミ車体はメンテナンスを続ければ40年~50年くらいは使用可能なので、車体そのものは大丈夫です。また、機器更新が2018年に実施されており、初代3000系の機器を流用していた8004F・8005F・8006F・8008F・8010FはMGをSIVに交換したり、CPを増設しているので、何だかんだ車齢40年を超えるくらいはどうってことないと考えられます。
とは言え、万博以降のインバウンド需要増加に伴う輸送力強化や、大阪IR認可に伴う中之島線延伸等で関西圏の情勢が大きく変わるため、2030年頃あたりで、8000系がバトンタッチするタイミングかもしれません。
8000系の後継たる条件?
という訳で、勝手に8000系の後継車両を考えます。
京阪特急かつ8000系の後継車両となり得る条件…こんな感じでは無いでしょうか?
- 2ドア
- クロスシート
- 特別仕様の車両(ダブルデッカー、プレミアムカー等)
2ドアは片開き?両開き?
クロスシートの座席数を確保するための2ドア仕様。ホームドアの規格にフィットする様にドア位置さえ何とかなれば、2ドアは存続させることは可能と考えられます。
ただ、京急2100形のように、2ドアで両開きのタイプで製造される(片開きドア終了)という選択肢は残っていると思います。
確かに、片開きドアの方が雰囲気は特急車両感が出ます。雰囲気は出ますが、予備のドアや、ドア周りの予備部品などの物理的なモノや、片開きドアのメンテナンスマニュアル・訓練等の可視化し辛いコストを考慮する必要があります。
ダブルデッカーとプレミアムカー
クロスシート車両は京阪特急の系譜でほぼ必須条件として、ダブルデッカーとプレミアムカーの両方を組み込めるかがポイントになります。
プレミアムカーはマネタイズされているので確実に存続すると思いますが、ダブルデッカーはちょっと微妙かもしれません。
ダブルデッカーは車体構造の関係上、普通鋼で製造されています。今後、普通鋼でダブルデッカーが製造されるどうかが分岐点となるかもしれません。
今から普通鋼でダブルデッカーを製造できる匠の技があるなら、それなりにコストがかかると思います。
安全面を考慮すれば、お金をかけて普通鋼でダブルデッカーを製造するのもアリかもしれませんが、湯水の如くお金が沸いていた(ような幻想を見ていた)バブルの時代とは社会状況が違います。ダブルデッカーを普通鋼で製造して、8000系の後継に組み込み、製造コスト分をペイするマネタイズが可能であれば、ダブルデッカーが存続するかもしれません。
編集後記
8000系がもうすぐ35年選手…時が経つのは早いわね😺
参考資料
『京阪電車』 JTBパブリッシング
『鉄道ピクトリアル No.822 2009年8月号臨時増刊 【特集】京阪電気鉄道』 株式会社電気車研究会
『鉄道ピクトリアル No.1004 2022年10月号臨時増刊 【特集】京阪電気鉄道』 株式会社電気車研究会