2023年9月26日、西武・東急・小田急の3社発表で、小田急8000形と東急9000系を、サステナ車両として西武鉄道が授受することを発表しています。
謎案件だったサステナ車両が遂にそのベールを脱ぐことになりました。
小田急8000形と東急9000系が「サステナ車両」として西武へ
西武・東急・小田急の3社が、西武に車両譲渡することが発表されています。
小田急からは8000形(2024年度~)が、東急からは9000系(2025年度~)が、2029年度までに合計約100両譲渡される予定です。
「サステナ車両」として、東急電鉄は「9000系」を、小田急電鉄は「8000形」を、 西武鉄道へ譲渡します。これにより、西武鉄道では、本線系(池袋線・新宿線など)への新造車両の導入に加え、「サステナ車両」を支線系(国分寺線や西武秩父線など)に導入することにより省エネルギー化を加速し、2030年度までに車両のVVVF化100%達成を目指します。なお、今回の連携による第1編成の運行開始は、2024年度を予定しております。
サステナ車両 対象形式 |
導入路線 | 導入時期 |
小田急8000形 (普通鋼車) |
国分寺線 | 2024年度~ |
東急9000系 (ステンレス車) |
多摩川線 多摩湖線 西武秩父線 狭山線 |
2025年度~ |
小田急8000形・東急9000系ともに支線に導入されることになります。
当初のサステナ車両の定義から変更
サステナ車両の情報が初めて出た「2022年3月期 決算実績概況および「西武グループ中期経営計画(2021~2023年度)」の進捗」では、
無塗装車体、VVVFインバーター制御車両等の他社からの譲受車両を当社独自の呼称として定義
―「2022年3月期 決算実績概況および「西武グループ中期経営計画(2021~2023年度)」の進捗」47ページより
としていましたが、「2023年度 鉄道事業設備投資計画」では、
VVVF インバータ制御車両等の環境負荷の少ない他社からの譲受車両を指す(当社独自呼称)
―「2023年度 鉄道事業設備投資計画」PDF4ページ
と、計画途中でサステナ車両の定義が、「VVVFインバータ制御車両」に限定されるようになり、塗装関連についてのハードルが下がっている(無塗装車体という条件が無くなっている)ことが分かります。
かなりの高齢「車」
ちなみに、両形式とも1980年代に製造されており、2023年時点で車齢30年が経過しており、鉄道車両では晩年に差し掛かってもおかしくない年頃です。
導入予定期間の最終年である2029年時点では、小田急8000形は車齢40年超え、東急9000系も大半が車齢40年に到達することなります。
サステナ車両 対象形式 |
導入年 | 車齢概算 (2023年時点) |
車齢概算 (2029年時点) |
小田急8000形 | 1983年~1987年 | 36年~40年 | 42年~46年 |
東急9000系 | 1986年~1991年 | 32年~37年 | 38年~43年 |
小田急だと8000形が現役最長老クラスですが、西武に移籍することで、寿命を更新しそうです。
ちなみに、西武で同時期に製造されていた形式は、2000系(1977~1988年製造)と新2000系(1988年~1992年製造)です。
ちょっと不思議な話ですが、ほぼ同世代の他社車両が西武に集合することになりますね。
内訳は、小田急8000形40両・東急9000系60両
尚、9月28日のNHKの報道で、サステナ車両として譲渡される小田急8000形と東急9000形の内訳が明らかになっています。
西武鉄道が有償で譲り受けるのは、東急電鉄の「9000系」車両をおよそ60両、小田急電鉄の「8000形」車両をおよそ40両、合わせておよそ100両です。
編集後記
小田急8000形の一部は東急車輛製造で製造、東急9000系はもちろん 東急車輛製造されているから、ひょっとしたら同郷車両が西武に集合するかもしれないわね😺
関連リンク
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