阪急車両にある種別と行先の表示器。正面向いて、右側に種別、左側には行先。
阪急では、9000系・9300系以降の車両は全て大型の表示幕・LED表示器を採用していますが、8000系・8300系以前に製造された車両には、細い表示幕と大型の表示幕の2種類が存在します。いったい、いつごろから表示幕の大型化が実施されたのでしょうか。
大型の表示幕
阪急の正面表示幕は、細いタイプと大型タイプの2種類の表示幕が存在します。
写真の左側が細いタイプの表示幕で、右側が大型タイプの表示幕です。
右側の大型タイプの表示幕、ある時期から採用されたことを皮切りに、阪急では大型タイプの正面表示幕が採用されることになりました。
いつ頃から大型の正面表示幕が登場したのか?
阪急で大型の表示幕が登場したのは、1993年9月に製造された、8000系8033Fと8300系8303Fです。
8000系8033Fが宝塚線で、8300系8303Fが京都線で初めて大型タイプの正面表示幕を採用した編成です。それ以降に製造された車両は登場時から大型タイプの正面表示幕を採用しています。
8000系・8300系の先輩車両の一部でも正面表示幕の大型化工事を実施しています。
大型化改造を実施した形式
8000系8033Fと8300系8303Fで正面に大型表示幕を採用した後、正面表示幕の大型化改造工事を実施した形式があります。5300系・6000系・7000系・7300系です。
5300系
まず、1995年に5300系5317Fで正面表示幕の大型化改造工事が実施されました。
5300系は登場時に表示幕が設置されておらず、1987年から表示幕の設置工事を始めていました。1987年~1994年に表示幕化改造を受けた編成は、細いタイプの正面表示幕を採用しています。
5317Fで大型の正面表示幕を採用したことを皮切りに、1995年以降に表示幕設置工事を実施した5300系は、大型タイプの正面表示幕を採用しています。
6000系
6000系では6005F・6006Fが正面表示幕の大型化を実施しています。
1997年に能勢電鉄と直通するための改造工事を6011Fで実施するというイベントがありましたが、その間にしれっと、6005Fと6006Fの表示幕の大型化を実施していました。ただし、何故、この2編成が正面表示幕の大型化に選ばれたのかは不明です。
7000系・7300系(リニューアル工事)
そして、7000系と7300系。
7000系では7007F・7008F、7300系では7320Fがリニューアル工事を受けてイメージが一新され、今まで設置されていた細いタイプの表示幕を撤去し、大型のLED表示器を設置しています。
…というか、別形式とも言えるくらい、お顔が完全に変わってしまうレベルの工事を実施したので、5300系や6000系で実施されたような正面表示幕の大型化とは経緯が異なります。
正面表示幕を大型化した理由は?
阪急が正面に大型表示幕を採用した理由は、視認性の向上。
細いタイプの表示幕はもともと、種別・行先ともに漢字表記だけでしたが、種別・行先の漢字表記の下に小さく英語・ローマ字を入れたため、種別・行先の漢字表記が相対的に小さくなりました。
そのため、表示幕そのものを大型化して漢字表記の視認性を確保しています。
編集後記
でかい表示幕すき😺
参考文献
『鉄道ピクトリアル No.837 2010年8月臨時増刊号 【特集】阪急電鉄』 株式会社電気車研究会
『阪急電車』 JTBパブリッシング