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阪急淡路の連続立体交差、694億円増額と完了予定4年延期…その理由は?

2022年3月10日に開催された大阪市会の建設港湾委員会で、現在進行中の淡路要塞…もとい、阪急淡路駅付近の連続立体交差事業の増額が明らかになっています。その額は694億円で、現在の全体事業費1,632億円と合算すると、2,326億円になります。

また、3月11日の大阪市会の建設港湾委員会で、高架切替が2028年(令和10年)、事業完了が2031年(令和13年)と見直され、4年延期となることが明らかになりました。




694億円の事業費増額と4年延期

2022年3月10日の大阪市会・建設港湾委員会における高山美佳委員(大阪維新の会・大阪市議会議員北区)の質問で、694億円の増額が明らかになっています。

また、翌日の3月11日の大阪市会・建設港湾委員会において、小笹正博委員(公明党・大阪市議会議員東淀川区)の質問で、事業期間の4年延期(高架切替が2028年・事業完了が2031年)も明らかになりました。

決定してしまったことは仕方が無いのですが、この原因はいったい何なのでしょうか?

事業費増額の原因

2022年3月10日・11日に開催された大阪市会・建設港湾委員会の質疑応答の中で、大阪市の担当課長が事業費増額について原因を述べています。その原因は大きく2点。

  • 安全対策の見直しが発生
  • 地質調査未実施個所が想定地質と異なっていた

これに伴う対策費用と、労務費・資材費の上昇を想定して、694億円の事業費増となっています。

増額の理由は大阪市の担当課長が答弁しており、その内訳は下の表です。

増額原因対象箇所増額費用内容
新名神高速道路の落橋事故を踏まえた橋梁工事の安全対策新幹線交差部
(下新庄駅付近)
113億円・橋梁本体構造の変更
・設備の増設
・橋梁工事に際して支障となる電気設備の移設等
JRおおさか東線との交差部127億円・架設工事の安全対策に伴う設備追加
地質調査未実施個所が想定地質と異なっていた
(根本原因は用地取得の遅れ)
不明90億円・地質調査未実施個所の追加対策
不明120億円・地中障害物の撤去
・土壌汚染に伴う汚染土の撤去処分



安全対策の見直しが発生

まず、安全対策の見直し。

2016年4月22日に発生した新名神高速道路の有馬川橋の橋桁落下事故により、阪急淡路駅付近の連続立体交差事業でも、建設工事に伴う安全対策の見直しが必要となりました。

対策としては、

  • JR東海道新幹線との交差部(下新庄駅付近)の橋梁本体構造の変更と工事設備の増設
  • JRおおさか東線との交差部の橋桁の仮設工事の設備追加

の2つです。

阪急淡路駅付近の連続立体交差事業で、JR東海道新幹線との交差部は、下新庄駅付近です。

JR東海との協議で、上の写真のあたりの工事における見直しが発生し、検討の結果、

  • 橋梁本体構造の変更
  • 工事設備の増設
  • 電気設備の移設

が必要になりました。

また、JRおおさか東線との交差部においても、安全対策として、橋桁の仮設工事に必要な設備の追加が発生しています。

人命第一なので安全対策は必須です😿
事故が発生してからでは遅いので、安全対策における事業費増額は妥当なものでしょう😿



地質調査未実施個所が想定地質と異なっていた

次に、地質調査未実施個所が、当初計画と想定していた地質と異なっていたことも、事業費の増額に繋がっています。根本原因は用地取得の遅れです。

そのため、

  • 地質性状に応じた追加対策
  • 地中障害物の撤去
  • 汚染土の撤去処分

が必要になりました。

具体的な場所は建設港湾委員会の質疑応答で明言されていないため、2022年度の計画発表を待つことになります。

立ち退きが困難を極めるという大前提があるにせよ、用地取得の遅れについては、担当である大阪市に責があるため、「大阪市のプロジェクト運営を抜本的に見直す必要がある」と指摘されても、大阪市側は何も言えないと考えられます😿



3回目の事業期間延長

また、「安全対策の見直し」と「地質調査未実施個所の追加対策」に伴い、事業完了期間に関しても延長が発表されています。

高架切替の完了予定は2028年度(令和10年度)、事業完了は2031年度(令和13年度)となり、2021年時点で高架切替完了予定が2024年度・事業完了予定が2027年度だったため、4年の延長となりました。

これで3回目の事業期間の延長となります。

当初計画と過去2回の見直し、および今回の大阪市会での答弁による事業期間延長をおさらいすると下の表になります。

計画高架切替事業完了原因
当初計画2009年2012年
2003年度見直し2017年2020年用地取得の遅れ(そもそも工事着手したのは平成20年)
2015年度見直し2024年2027年用地取得の遅れに伴う工事進捗遅れ
2021年度見直し2028年2031年安全対策の追加
用地取得の遅れに伴う想定地質との差異による対策

尚、大阪市側が国土交通省に詳細設計変更協議書を提出しており、変更確認等が完了して正式な高架切替・事業完了の時期は2022年度の事業計画の発表を待つことになります。

連続立体交差事業における今後の対策

建設港湾委員会に対する質疑では、当初計画の甘さと、大阪市・阪急が一体となってリスク管理が出来てないと指摘されています。

阪急淡路駅付近の連続立体交差事業では、大阪市・阪急の役割分担は、

  • 大阪市:連続立体交差事業に関連する用地取得、道路の設計・工事
  • 阪急:鉄道に関する設計・工事(駅・高架線等)・工程管理

となっています。当初計画から想定外の事案が発生したことについては、大阪市の用地取得の遅れが原因です。加えて、役割が分かれていることで、大阪市・阪急のリスクを管理できていないことが、今回の事業費増額に繋がっていると指摘されています。

その上で、リスク管理をどうするかについて、大阪市としては、

  • 事業リスク管理の組織を立ち上げ(立ち上げ済、対応中)
  • 専門家・コンサルタント等の第三者の活用

として、事業費・工程等の適切な管理とコスト縮減・工程短縮の検討を行うことを答弁で説明しています。


編集後記

あらゆる想定をすることは仕事をする上で大切なことですが、プロジェクトが動き出した後で発生するリスクは往々にして存在します。

プロジェクトの大小にかかわらず、何でもかんでも全てを見通して当初計画でリスクを洗い出すこと不可能です。リスクを認識した場合に、どのような対策を立てるかが重要です。

関連リンク

3月10日開催の大阪市会・建設港湾委員会の動画については、22:50から阪急淡路駅付近の連続立体交差事業の増額についての質疑が録画されています。

建設港湾委員会 (会議日:令和4年3月10日)|大阪市会

3月11日開催の大阪市会・建設港湾委員会の動画については、冒頭から阪急淡路駅付近の連続立体交差事業の増額及び期間延長についての質疑が録画されています。

建設港湾委員会 (会議日:令和4年3月11日)|大阪市会

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鉄道イベント情報(鉄道コムtetsudo.comより)

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