都営5500形は東京都交通局(都営浅草線)の通勤形車両。5300形の置き換えと、都営浅草線開業60周年という節目、2020年の東京オリンピックやインバウンド需要対応のために設計・製造された車両。
都営5500形超概説
都営5500形は、東京都交通局・都営浅草線用の通勤形車両です。
四直(京急・京成・都営浅草線・北総)で初めて、総合車両製作所(J-TREC)の車両ブランド、「sustina」を採用し、開発コストの削減や安全性の向上につながっています。
また、公営鉄道では初めてとなるINTEROS(列車情報管理装置)を採用し、乗務員の業務支援やWiMAX等を利用した地上と車両の間の通信機能を搭載するなど、車両システムの全体最適化制御も実現しています。
諸元
製造年 | 2018年~2021年 |
製造数 | 27編成216両(1編成8両) |
MT比 | 6M2T |
車体 | 軽量ステンレス |
台車 | ボルスタ付き軸梁式空気ばね台車 |
最高速度 | 120km/h(営業運転)、130km/h(設計) |
加速度 | 3.3km/h/s |
減速度 | 4.0km/h/s(常用)、4.5km/h/s(非常) |
制御方式 | フルSiC-MOSFET VVVFインバータ制御 |
全長 | 18,000mm |
全幅 | 2,760mm |
全高 | 4,036mm 4,045mm(パンタ折りたたみ時) |
起動加速度や減速度は四直の直通規定を満たしていることは当然ですが、5300形で実現されなかった120km/h運転が可能となっています。
故障時の救援目的で、5500形や京急車両との連結接続を想定して、電気連結器を搭載しており、ブレーキやブザー回路の引き通しも可能になっていることから、高い汎用性を発揮するポテンシャルを秘めています。
運用
2021年8月時点まで都営5300形と同じ運用に就いており、都営浅草線内・京成本線・北総線・京急線・京急空港線と幅広い運用に就いています。
都営5300形の仕様上、成田スカイアクセス線への運用に就けないため、5300形と同じ運用に就いている5500形も、成田スカイアクセス線を経由したアクセス特急運用には就けません。
カタログスペック的には成田スカイアクセス線への入線は可能なため、5300形が全て5500形に置き換われば、将来的な成田スカイアクセス線への乗り入れが想定されます。
デザイン
都営浅草線の名の通り、外国人観光客からも人気のある浅草を取り入れたデザインになっています。
車体前面はブラックフェイスとラインカラーのローズピンク、アーバンホワイトを上から下に絞り込む様なデザインになっており、見た目で歌舞伎役者の顔(隈取)をイメージさせています。本来、障害物から床下機器を保護するためのスカートまでカラーリングが施されていることも特徴です。
車内風景については、オンタイム様(個人サイト様)とStyle-Train Graphics-様(個人サイト様)にてお楽しみください。
関連リンク
『SUBWAY』2018年8月号(第218号)|日本地下鉄協会
『総合車両製作所技報』第7号(40~49ページ)|総合車両製作所
東京都 5500形 京成成田スカイアクセス線 試運転/2021年6月21日(月)|鉄道コム
~浅草線リニューアル・プロジェクト 第1弾~ 平成30年春、都営浅草線に新型車両「5500形」を導入します|東京都交通局(インターネットアーカイブ)