京成3600形は1982年から登場した京成電鉄の通勤形車両。京成通勤車両では初めての軽量オールステンレス車両・界磁チョッパ・ワンハンドルマスコンを採用するなど、当時の京成において新技術を積極的に取り入れた車両。
先頭電動車でないために京急線に入線出来なかったり、ターボ君と呼ばれる全電動車の編成が存在したりと、非常にユニークな形式でもある。
京成3600形超概説
京成3600形は1982年から登場した京成電鉄の通勤形車両です。
3500形から継続してステンレス車両で製造されますが、セミステンレスだった3500形とは違い、3600形は軽量オールステンレスを採用しています。
また、界磁チョッパ制御・ワンハンドルマスコンなど、初代AE形の要素も引き継いでいることから、通勤車とAE車の良いとこ取りをしています。その結果、何故か先頭車両が制御車となったため、京急線には乗り入れ出来ません。
諸元
製造年 | 1982年~1989年 |
製造数 | 54両 ・製造当初:6両編成9本 ・組成変更後:8両編成6本、6両編成1本 ・2021年10月現在:6両編成1本、4両編成1本 |
MT比 | 4M2T(製造当初6両編成) 6M2T(組成変更後8両編成) 4M(3668編成のみ) |
車体 | 軽量ステンレス |
台車 | S形ミンデン式台車 SUミンデン式台車(3668編成のみ) |
最高速度 | 105km/h(営業運転)、110km/h(設計) |
加速度 | 3.3km/h/s |
減速度 | 4.0km/h/s(常用)、4.5km/h/s(非常) |
制御方式 | 界磁チョッパ制御 GTO-VVVFインバータ(3668編成のみ) |
全長 | 18,000mm |
全幅 | 2,760mm |
全高 | 3,969mm 4,050mm(パンタ車) |
製造当初は6両編成9本でしたが、1997年から組成変更を行っており、6両編成9本を8両編成6本と6両編成1本に組成変更を実施しています。
3668編成のみ、1999年の組成変更時に4両編成でVVVFインバータを搭載して全電動車に改造され、その半年後に6両編成化されましたが、2017年に中間車を抜き取って再び4両編成化されるなど、色々と体をいじられています。
また、3618編成は芝山鉄道にリースされていた時期があり、その間は芝山鉄道のイメージカラーに帯色が変更されています(2013年3月末で芝山鉄道へのリースが終了し、京成に復帰)。
尚、2017年以降の廃車に伴い、2021年10月現在は、6両編成に戻された3688編成(ファイヤーオレンジ復刻塗装)と、ターボ君として名高い3668編成の2本が営業運転に就いている状態です。
運用
京成線の他、北総線・都営浅草線の直通にも対応していますが、先頭車が電動車でないため、8両編成であったとしても、京急線への乗り入れはありません。
6両編成は京成本線・千葉線・千原線の各駅停車、4両編成は金町線の運用に就いています。
かつて存在した8両編成は京成本線の快速特急・特急・快速、都営浅草線直通の快速、芝山鉄道、北総線の運用に就いていました。
成田スカイアクセス線への運用実績がありませんが、2020年のイベントで成田スカイアクセス線を走行した実績があります。
また、ターボ君こと3668編成は先頭電動車のため、都営浅草線・京急線を経由して、総合車両製作所(J-TREC)横浜事業所から、新造車両の牽引という大事な役目も担っています。
関連リンク
京成3600形が成田スカイアクセスに入線|鉄道ニュース|2020年8月30日掲載|鉄道ファン・railf.jp
車両図鑑 3600形|京成webミュージアム(72MB以上のPDFなのでWi-Fi環境でのDL推奨)
参考資料
『鉄道ピクトリアル No.787 2007年3月号臨時増刊 【特集】京成電鉄』 株式会社電気車研究会