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【超概説】京成3500形<京成初にして唯一のセミステンレス車両>

京成3500形は1972年から登場した京成電鉄の通勤形車両。京成で唯一のセミステンレス車両であり、京成の通勤車両では初の冷房車である。

かつては組成変更によって優等種別に就くことや、京急線・都営浅草線内に乗り入れたこともあったが、現在は京成本線の6両編成と京成金町線(と芝山鉄道)の4両編成を担当したり、試験走行車両として駆り出されたりするなど、最年長車両から数えて、登場から50年近く経とうとしているが、引っ張りだこである。

そして、現在は数が少なくなっているが、車内に扇風機を設置している車両でもある。




京成3500形超概説

京成3500形は1972年から登場した京成電鉄の通勤形車両です。

今では6両編成の本線運用と、金町線運用に限定されていますが、この3500形は京成の機転の一つとなった功労車でもあります。

まず、冷房車であること。競合だった国鉄総武本線は冷房化が進んでおり、京成も同等のサービスを提供するために冷房化車両として3500形を登場させました。



そして、京成初のステンレス車両ということ。3500形はセミステンレス車両で製造されました。3500形の3583~3588、および3600形以降はオールステンレスで製造されていることから、京成車両の車体のステンレス化に一役買っています(ただし、3400形は普通鋼車体)。

ちなみに、普通鋼車体に冷房装置を搭載すると、荒川橋梁と江戸川橋梁の強度不安によって、セミステンレス車両を採用したという事にも繋がっています。
軽量ステンレスが本格的に出回るのは1980年ごろになるので、京成にとっても苦肉の策だったのかもしれません。

登場から20年以上経過した1996年から更新工事が開始されましたが、一部編成はボロボロだったので更新せずに、未更新車と更新車が混在する時期もありました。

2021年現在、更新車のみが現役車両として運用されています。



諸元

製造年1972年~1982年
製造数24編成96両
MT比0.5M車(ユニット編成)
車体セミステンレス
台車S形ミンデン式台車
最高速度105km/h(営業運転)、120km/h(設計)
加速度3.5km/h/s
減速度4.0km/h/s(常用)、4.5km/h/s(非常)
制御方式電動カム軸式抵抗制御、界磁チョッパ制御
全長18,000mm
全幅2,832mm
全高4,050mm
4,080mm(パンタ車)

2両で1ユニットを構成しています。

製造当初、先頭車(M2車)の運転台寄りの台車には主電動機を搭載していませんでしたが、更新工事によって、先頭車両の台車を交換することにより京急線への直通規定を満たしました。

その他、更新車両は車両前面の変更、シングルアームパンタグラフを採用、ドアエンジンの交換なども実施されています。


運用

京成本線・金町線(4両編成)・千葉線・千原線・芝山鉄道の各駅停車および、6両編成の快速を担当しています。

かつて、8両編成を組成していた時期もあり、優等種別の運用にも就いており、京急線・都営浅草線にも乗り入れていました。

成田スカイアクセス線の運用には就けませんが、イベントで成田スカイアクセス線を走行したこともあります。

京成 3500形スカイアクセス線ツアー(2020年9月19日) - 鉄道コム
京成トラベルサービス、京成電鉄は、「懐かしの京成電車運行ツアー」第2弾を開催。旅行日は、2020年9月19日(土)の日帰り。3500形で成田スカイアクセス線など、3600形ファイヤーオレンジで京成本線などを移動。乗車区間は、京成上野(12:00頃発)~空港第2ビル、東成田~八千代台(15:00頃着)。空港第2ビル駅~東続きを読む

非常に貴重な前面展望をアップロードされている方もいらっしゃいますので、合わせてご覧下さい。

映像見ると分かる通り、成田湯川駅に京成ファンが押し掛けるくらい非常に貴重な映像です。



扇風機

そして、現在では数少ない、扇風機を搭載している車両です。

関連リンク

車両紹介 3500形(更新車):通勤車両として京成電鉄初の冷房車両

参考資料

『鉄道ピクトリアル No.787 2007年3月号臨時増刊 【特集】京成電鉄』 株式会社電気車研究会

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