2023年3月30日の中期経営計画で明らかになった、3000系プレミアムカーの増備。3000系に組み込まれているプレミアムカーが1両から2両に増えます。
プレミアムカーが増えることは鉄道趣味的には非常に興味深い話ですが、編成内の定員上限の減少による弊害が引き起こされることも考えられます。
3000系の編成定員数
とりあえず、プレミアムカー組み込み後の3000系の定員数はコチラ。
号車 | 1号車 | 2号車 | 3号車 | 4号車 | 5号車 | 6号車 | 7号車 | 8号車 |
定員数 (座席数) |
113 (37) |
126 (45) |
126 (45) |
126 (45) |
126 (45) |
40 | 126 (45) |
113 (38) |
備考 | 6号車3850形はプレミアムカー 参考『鉄道ピクトリアル No.1004 2022年10月号臨時増刊 【特集】京阪電気鉄道』 |
この様に1編成当たりの定員(編成定員)は896人です。
では、プレミアムカーが増備されるということで、仮に5号車をプレミアムカーにしてみます。5号車じゃなくても、8000系のダブルデッカー車と同じく4号車でも良いと思いますが、とりあえず何も考えずに隣の5号車を勝手にプレミアムカーにします(7号車でも良いですが)。
号車 | 1号車 | 2号車 | 3号車 | 4号車 | 5号車 | 6号車 | 7号車 | 8号車 |
定員数 (座席数) |
113 (37) |
126 (45) |
126 (45) |
126 (45) |
40 | 40 | 126 (45) |
113 (38) |
備考 | 5号車を勝手にプレミアムカー化 |
そうすると、1編成当たりの定員(編成定員)は86人減少し、810人となります。
では、もともと乗せることが出来ていた86人はどこに行くのでしょうか?
…混雑するのでは?
3000系にプレミアムカーが増備されることで、編成定員は896人から810人となり86人減少します。そうなると、もともと乗れていた86人は、他の号車に移ってもらうか、次の列車を待つしかありません。
もし、全車両に定員上限まで乗っていると仮定し、プレミアムカー化によって溢れてしまった86人に他の号車に移ってもらうことにしましょう。
単純に86人を6両で割り算すると、1両当たり14.33人の割り当てとなり、1両に約14~15人が増えることになります。
今、電車乗ってる人は周りを見渡してみて下さい。今、乗ってる車両に15人くらい増えたらどうでしょうか?イメージ的には、1つのドアに5人乗って来る感じです。
空気を輸送してるくらいガラガラなら15人くらい乗って来ても別に構わないと思いますが、通勤・帰宅ラッシュの時間帯だったらどうでしょうか?恐らく「うわ、勘弁してくれよ」と思う方がいらっしゃるかもしれません。
単純にプレミアムカー増備だけではちょっと厳しいかも
インバウンド需要が回復傾向にあることや、2025年の大阪・関西万博で鉄道利用者が一時的に増えることは考えられますが、鉄道各社は定期利用者の減少を長期的に予測しています。
利用者減の鉄道業界にとって、有料座席指定サービス座席を増やしてマネタイズの一つとするのは、収益増加の手段だと思います。少しお金を払ったら、ちょっと豪華な座席に座れますからね。ただ、その分、いつもの様に乗ってる人が割を食う可能性もあるという事は否めないと思います。
なので、単純にプレミアムカーを増備するだけでは、弊害が出てしまう可能性はあります。
仮に、プレミアムカーの前後の列車を増発するダイヤを組むことや、他の列車の編成両数を増やす(6両編成を7両化・7両編成を8両化)等、いくつか手段があるとは思います。
ただ、そこまで考慮した上でダイヤを組むとなると、かなり大きい影響が考えられます。恐らく、万博前にプレミアムカー増備を行わないのも、プレミアムカー増備による混雑懸念があるのではないかと考えられます。しかも、万博期間中に中之島線でプレミアムカーを運行することが報じられているので、尚更です。
万博専用ダイヤを組むにあたって、プレミアムカー増備による混雑ケアや、そのための人員調整(乗務員や保守整備要員)の確保を万博開始までに行うことは難しい…と踏んで、万博前にプレミアムカー増備という決定を下したのかもしれません。
何はともあれ、プレミアムカーを増備して、混雑が別のところに波及してしまう可能性があるということは、京阪も百も承知で考えているはずなので、そこをどうするか注目するポイントでもあります。
編集後記
どうするのかしら?😺
もし、万博前にプレミアムカーを増備して、万博期間中に混雑&遅延が連日続いてしまうと、京阪のブランディングにも影響してしまいますからね😺