京急は2023年1月13日に、鉄道旅客運賃改定の申請を国土交通大臣宛に行っています。認可されたら2023年10月に運賃価格の改定が実施されます。
その3日後の1月16日に、パブリックコメントが公開され、添付資料では設備投資の内容が記載されていました。
2023年度、14両を代替車両として新造するみたいです。古い車両から置き換えると考えられますが、現状の車両保有状況と、代替車両の数字を見比べると、界磁チョッパ車両全てを置き換えることは無さそうです。
2023年度は14両だけ
鉄道事業の旅客運賃上限変更認可申請書のページ番号40(PDFページ番号53)に記載がある通り、令和5年度(2023年度)に代替車両として14両を新造するみたいです。
京急車両の組成は、4両編成・6両編成・8両編成の3つなので、14両を新造する場合、
- 4両・4両・6両:合計14両
- 8両・6両:合計14両
の2パターンの組み合わせになります。
1000形1890番台で1500形を置き換えてきましたが、2020年度・2021年度に置き換えた1500形は全て4両編成の界磁チョッパ車両です。
4両編成×2本 or 8両編成 かは分かりませんが、数字上では、6両編成1本の置き換えがほぼ確定と言えます。
1500形界磁チョッパ車の全ては置き換えられない
2023年1月時点で、京急の界磁チョッパ車両は1500形の4両編成4本(合計16両)。
ところが、2023年度の新造計画は14両となっており、1500形界磁チョッパ車両たち16両を全て置き換えることが出来ません。
先述した通り、数字の組み合わせ上、6両編成の置き換えが考えられます。
6両編成は全てVVVF化が完了していますが、6両編成の最年長車両である1500形1561編成(旧1500形1601編成)は88年1月製造です。
1500形1561編成(旧1500形1601編成)は製造から35年経過しており、先に廃車となった1500形の廃車時の車齢とほぼ同じなので、置き換え対象となる可能性はありますが、東洋IGBT-VVVFに更新しているので、置き換え対象になるかは微妙なところです。
何故か残ってる1500形のトップナンバー
少し話が逸れますが、車齢の事を考えると、1500形のトップナンバーである1501編成が2023年に車齢38年を迎えます(1985年製)。
編成 | 製造年 | 廃車年 | 車齢 | 車体構造 |
1501編成 | 1985年 | – | 38年 | 普通鋼 |
1505編成 | 1985年 | 2022年 | 37年 | 普通鋼 |
1509編成 | 1985年 | 2021年 | 36年 | 普通鋼 |
1513編成 | 1986年 | 2022年 | 36年 | 普通鋼 |
1517編成 | 1986年 | – | 37年 | 普通鋼 |
1521編成 | 1988年 | – | 35年 | アルミ |
1525編成 | 1988年 | – | 35年 | アルミ |
【備考】 ・製造時4両連、現在6両編成は除外 ・上記いずれも界磁チョッパ制御車両 ・現役の車齢は2023年に到達する想定で算出 ・引退済の車齢は引退時の車齢を算出 |
上記の表を見て頂くと分かりますが、1500形トップナンバーの1500形1501編成より後に製造された編成たちが先に廃車となっています。
京急の戦略を知ることは出来ませんが、ラストランのイベント等で使うのであれば、最古参であるトップナンバーの1501編成を最後まで残す可能性があります。企業戦略としてはアリかもしれません。
編集後記
1500形の界磁チョッパ車両と6両編成たち、どうなるのかしら?😺
参考資料
『私鉄車両年鑑2020』 イカロス出版
『私鉄車両年鑑2021』 イカロス出版
『私鉄車両年鑑2022』 イカロス出版
『鉄道ピクトリアル No.935 2017年8月号臨時増刊 【特集】京浜急行電鉄』 株式会社電気車研究会
関連リンク
京浜急行電鉄株式会社の鉄道事業の旅客運賃の上限認可申請に関する意見募集について|パブリック・コメント