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【謎】何故、阪急の「京とれいん」は無料なのか?

特急料金無しで乗車可能な、阪急の「京とれいん」「京とれいん雅洛」。

車内があんなに豪華なのに特急料金不要というのは、全国的に見ても非常に珍しいです。特に「これでもか!」と言わんばかりの最上級グレードの「京とれいん雅洛」でも特急料金は不要です。

ところで、「京とれいん」「京とれいん雅洛」は、どうして特急料金が不要なのでしょうか?



特急料金不要の「京とれいん」「京とれいん雅洛」

阪急京都線で土休日だけ運行されている「京とれいん」「京とれいん雅洛」は、特急料金不要で乗車運賃だけで乗ることが出来ます。

上の写真は2019年に登場した「京とれいん 雅洛」の車内。これが電車の中の風景です。電車の中に中庭があるということ自体が信じられないレベルですが、特急料金は不要です。

何故、京とれいんは特急料金不要?

1956年2月2日に発生した庄内事件を教訓に、阪急では「同じ運賃を支払っている乗客に対して差を付けない」という理念を掲げています。

6300系導入時に特急料金を徴収する動きがあったみたいですが、結局は特急料金を設定していません。

車内のグレードが高い「京とれいん」を導入する際にも、「同じ運賃を支払っている乗客に対して差を付けない」という理念に基づいて、特急料金を設定していません。

…という話が広まっている様です。



特急料金を「取らない」のではなく「取れない」?

ここからは現実的な話です。美談になっている通説に一石を投じてみたいと思います。

特急料金不要の「京とれいん」「京とれいん雅洛」ですが、特急料金を「取らない」のではなく、「取れない」と判断したと考えられます。

阪急が公式で発表していない&当サイトの勝手な推測ですが、理由としては2点考えられます。

  • 環境整備にお金がかかる
  • 運行本数が少ないため、回収が難しい

端的に言ってしまうと、費用対効果が低いからです。

環境整備にお金がかかる

特急料金を取る仕組みを作る場合、少なくとも以下の環境を整える必要があります。

  • 発券機の改修(もしくは設置)
  • 予約管理システムの開発
  • 窓口社員・車内アテンダントの確保
  • 諸々のランニングコスト(システム・人件費)

細かい部分まで突き詰めるともっとありますが、大きくは上記4つが必要です。

特急料金を設定した場合、車両改造に加えて、ハード面・ソフト面でもお金がかかります。特に、予約管理システムを導入した場合はお金がかかります。

システムを稼働させるためには、ハードウェア・ソフトウェア・データベース・ネットワーク環境・アプリケーションライセンスなどを数年単位で契約する必要があり、システム稼働の運用保守費用も高くつきます(そもそも、導入するだけでも膨大な時間とお金が発生します)。

後述しますが、これらの費用を2編成で、しかも土休日のみの運行で回収するのは、リーズナブルな料金設定では不可能に近いです。

運行本数が少ないため、回収が難しい

ところで、淀川を挟んでお隣を走る京阪では、2017年から「プレミアムカー」を運行しており、400円~500円の追加料金で乗車可能ですが、平日・土休日にかかわらず、終日運行しています。

京阪の場合、プレミアムカーを組み込んでいる編成数も多く、どの時間帯もまんべんなく走っています。京阪の試算内容は不明ですが、長期的に見て、ワンコイン以内の追加料金で、プレミアムカーに投資したお金を回収できると考えたのでしょう。

しかし、「京とれいん」「京とれいん雅洛」は2編成だけで、土休日のみ運行です。

大阪と京都を結ぶ観光列車という位置づけのため、観光目的で利用する人が多い土休日のみの運行に限定しています。

「京とれいん」は1日3往復、「京とれいん雅洛」は1日4往復のため、仮に、先述した費用を回収するために特急料金を設定すると、ワンコインではおさまらず、とんでもなく高額になってしまいます。



逆手に取った戦略?

色々と述べましたが、真相は阪急の中の人だけが知ることなので謎案件です。

あくまでも当サイトの見解ですが、「京とれいん」の導入に至ったのは、

  1. グレードの高い車両の提案があった
  2. 特急料金を設定して検証した結果、回収可能な金額設定が高すぎた
  3. いっそのこと特急料金不要にして話題性を呼ぶ方針に転換した

というプロセスがあったのではないでしょうか。

企業活動として投資したお金を回収することが大きな目的の一つです。ところが、2011年に登場した「京とれいん」は京町家風の車内空間を提供することが目的になっています。

同様に、2019年に登場した「京とれいん雅洛」も、最高級の車内空間を提供することが目的になっています。

一見すると、グレードの車両を特急料金不要で乗車出来るということは、大盤振る舞いに見えますが、したたかな戦略でもあります。

例えば、断続的に広告を出して特急料金の徴収に躍起になるよりも、特急料金無しでSNS映えする「京とれいん」「京とれいん雅洛」に乗車してもらった方が口コミも広まります。

「阪急では、凄い高級な車両に特急料金無しで乗れる」ということをインターネット上で拡散して貰えば、大々的な広告を出さなくても話題性が生まれます。

話題性が生まれた場合、長期的に見ると、関西圏以外の人が大阪と京都を移動する際の選択肢として、阪急を利用する可能性が高くなるので、敢えて「京とれいん」で特急料金を設定しなかったと考えられます。



編集後記

京とれいん好き😽

訂正:京とれいん雅洛の登場年を2017年と記載していましたが、2019年の誤りでした。

参考文献

『阪急電車』山口益生著 JTBパブリッシング

関連リンク

「京とれいん」 この春、和モダン列車で嵐山へ!|阪急電鉄

『京とれいん 雅洛』特設サイト|阪急電鉄

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