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何故、阪急京都線には2両+6両の8両編成が存在するのか?

阪急京都線は、7両編成と8両編成で運行されています。留置スペースの都合上、7両編成が存在するのは仕方ありません。

ところで、7300系と8300系には8両編成・6両編成・2両編成と、3種類の編成両数が存在します。基本的には2両+6両で運行されるので、実質的には8両固定編成なのですが、いったい何故、2両+6両の8両編成が存在しているのでしょうか?




7300系と8300系の編成内訳

まず、7300系と8300系の各編成を見てみます(いずれも2022年3月時点)。

7300系 編成内訳
8両固定
Mc M’ T T T T M M’c
7320 7800 7850 7860 7870 7880 7900 7400
7322 7802 7852 7862 7872 7882 7902 7402
7303 7803 7853 7863 7873 7883 7903 7403
7304 7804 7854 7864 7874 7884 7904 7404
7305 7805 7855 7865 7875 7885 7905 7405
7306 7806 7856 7866 7876 7881 7906 7406
2両+6両
Mc Tc Mc M’ T T M M’c
7323 7453 7321 7801 7861 7871 7901 7401
2両+6両(中間車改造済)
Mc M’ T To To T M M’c
7324 7840 7970 7954 7890 7960 7910 7410
Mc To Mc M’ T T M M’c
7327 7957 7307 7807 7867 7877 7907 7407
【備考】
・ラッシュ時増結用の2両編成は除外
・7325Fと7326Fは8300系側に記載
・7327F+7307Fでは7457(改番後7957)が中間車改造を受けるも、7307は運転台が残っている。
8300系 編成内訳
8両固定
Mc1 M2 T1 T2 T2 T1 M1 Mc2
8300 8900 8850 8950 8980 8870 8800 8400
8301 8901 8851 8951 8981 8871 8801 8401
8302 8902 8852 8952 8982 8872 8802 8402
8303 8903 8853 8953 8983 8873 8803 8403
8315 8904 8865 8965 8984 8885 8815 8415
2両+6両(8300系)
Mc1 Tc Mc1 T1 T2 T1 M1 Mc2
8330 8450 8310 8860 8960 8880 8810 8410
8331 8451 8312 8862 8962 8882 8812 8412
8332 8452 8313 8863 8963 8883 8813 8413
8333 8453 8314 8864 8964 8884 8814 8414
2両(7300系)+6両(8300系)
Mc Tc Mc1 T1 T2 T1 M1 Mc2
7326 7456 8304 8854 8954 8874 8804 8404
7325 7455 8311 8861 8961 8881 8811 8411

7326F+8304Fと7325F+8311Fに見られるように、形式が異なるのに2両+6両で8両編成を組成しています。形式が異なる連結というのは、ラッシュ時によくある一時的な組成ではありません。2両と6両の中間側にある先頭車両に転落防止幌まで付けているので、実質的に8両固定編成となっています。


京都線特有の事情

形式の差異があっても、2両+6両を組成している阪急京都線の7300系と8300系。何故、このような組成が存在するのかと言うと、その理由は次の3点です。

  • 製造当時の運用
  • 嵐山線への直通運用
  • 「京とれいん」「京とれいん 京とれいん 雅洛」の代走

製造当時の運用

7300系・8300系が製造された当時、阪急京都線では6両編成の運用が存在していました。京都線にホーム有効長が6両までの駅が存在していたからです。

当時の京都線のホーム有効長の関係上、6両編成は必要となるので、当然、7300系・8300系の6両編成が製造されます。6両編成単独で運行されていた時期もありました。また、6両編成は2両編成と連結することで8両編成となり、優等種別の運用に就けるため、便利と言えば便利だったわけです。

2001年3月のダイヤ改正では、特急の急行格下げや、優等種別の停車駅を大幅に増加するというインパクトのあることをやってのけました。加えて、全駅で8両編成のホーム有効長になったこともあり、6両編成の定期運用が消滅しています1

行楽シーズンにおける嵐山線での運用

不定期ですが、行楽シーズンには、嵐山線で6両編成が運行されることもあります。その場合、2両+6両の8両編成を切り離して、6両編成側が嵐山線の運用に就きます。

何故、そんなことをするかというと簡単な話です。嵐山線内のホーム有効長は6両のため、8両編成が嵐山線に入ることが出来ません。

普段の嵐山線は4両編成が折り返していますが、行楽シーズンにおける利用客増加対応のため、6両編成が折り返しで運行することもあります。

また、嵐山線への直通列車が設定される場合もありますが、その際も6両編成側が直通列車として運行されます。

なので、2両+6両による8両編成は、京都線では必須になります。

「京とれいん」「京とれいん 京とれいん 雅洛」の代走

阪急京都線には観光列車、「京とれいん」「京とれいん 雅洛」があります。

「京とれいん」は6300系6354Fが、「京とれいん 雅洛」は7000系7006Fが担当しています。しかし、予備編成が存在しません。

そのため、両編成が定期検査や更新工事の期間、もしくは一時的な故障等、やむを得ない理由で「京とれいん」「京とれいん 雅洛」の運用に就けない時、2両+6両の8両編成のうち、6両編成側が代走の運用に就きます。

代走となると、「京とれいん」「京とれいん 雅洛」と比べて座席のグレードは落ちてしまいますが、それでも快速特急・快速特急Aの運行はストップさせないため、6両編成は必要になります。



将来的にも2両+6両は残り続ける?

京都線では8300系を最後に、6両編成は製造されていません。9300系・1300系は8両固定編成です。

7300系の2両+6両の一部は、連結側の先頭車両が中間車化されていますが、行楽シーズンにおける嵐山線運用と、「京とれいん」「京とれいん 雅洛」の代走に6両編成が必要なため、一定数は2両+6両は残り続けると考えられます。

仮に、嵐山線のホーム有効長が8両まで拡大された場合は6両編成が必要無くなりますが、駅の立地的にホーム有効長の拡大は難しいでしょう。

京都河原町駅の2号線ホームの頭端側を削って有効長を拡大すれば8両編成が入ることが出来ますが、一向にその気配が無さそうなので、6両編成を捻出し続けることになると思います。

編集後記

嵐山直通すき😽

関連リンク

阪急 嵐山への直通車両にヘッドマーク|鉄道ファン

春の臨時列車運転のご案内|阪急電鉄

参考資料

『鉄道ピクトリアル No.837 2010年8月臨時増刊号 【特集】阪急電鉄』 株式会社電気車研究会

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注釈

  1. ただし、2022年現在も京都河原町駅の2号線は7両が限界。