阪急阪神ホールディングスは、2023年5月15日に2022年度の決算を公開しています。
決算補足説明の中で記されている、中長期計画・長期ビジョンでは、基軸戦略において、座席指定サービスを2024年に導入予定と、なにわ筋連絡線・新大阪連絡線等の新線計画の推進を行うことを掲げています。
グループ全体では469億円の黒字
2022年度の阪急阪神ホールディングス(以下、阪急阪神HD)の決算では、グループ全体の純利益が約496億5,200万円で、昨年の約214億1,800万円から約255億円3,400万円増となっています。
2022年度 | 2021年度 | 比較増減 | |
営業収益 | 9,683億0,000万円 | 7,462億1,700万円 | 2,220億8,300万円 |
営業利益 | 893億5,000万円 | 392億1,200万円 | 501億3,800万円 |
純利益 | 469億5,200万円 | 214億1,800万円 | 255億3,400万円 |
セグメント別の営業成績を見てみましょう。
セグメント別営業成績 | ||||||
セグメント | 営業収益 | 営業利益 | ||||
2022年度 | 2021年度 | 比較増減 | 2022年度 | 2021年度 | 比較増減 | |
都市交通 | 1,855億8,100万円 | 1,616億2,300万円 | 239億5,800万円 | 224億3,500万円 | 56億2,900万円 | 168億0,500万円 |
不動産 | 2,820億4,900万円 | 2,465億8,400万円 | 354億6,500万円 | 278億5,100万円 | 194億2,500万円 | 84億2,600万円 |
エンタテインメント | 722億8,900万円 | 628億6,400万円 | 94億2,500万円 | 126億2,200万円 | 92億6,300万円 | 33億5,800万円 |
情報・通信 | 603億5,500万円 | 591億8,100万円 | 11億7,400万円 | 59億1,700万円 | 58億6,700万円 | 5,000万円 |
旅行 | 1,914億0,000万円 | 604億1,900万円 | 1309億8,000万円 | 152億5,700万円 | -57億4,800万円 | 210億0,600万円 |
国際輸送 | 1,632億6,900万円 | 1,432億9,600万円 | 199億7,300万円 | 83億8,100万円 | 80億1,900万円 | 3億6,100万円 |
その他 | 556億4,900万円 | 516億6,600万円 | 39億8,300万円 | 27億5,200万円 | 23億8,500万円 | 3億6,600万円 |
調整額 | -422億9,500万円 | -394億1,700万円 | -28億7,700万円 | -58億6,600万円 | -56億2,800万円 | -2億3,700万円 |
連結 | 9,683億0,000万円 | 7,462億1,700万円 | 2,220億8,300万円 | 893億5,000万円 | 392億1,200万円 | 501億3,800万円 |
全体的に回復傾向にありますが、その中でも特に旅行セグメントがV字回復しています。
尚、昨年度、不動産セグメントに吸収されたホテル事業は営業収益442億円ですが、営業利益はマイナス48億円と赤字状態。ホテルはインバウンド需要が戻らないと厳しい状態と考えられます。
基軸戦略のトピック
決算説明資料はいつも通りごちゃごちゃしてますが、基軸戦略のトピックとしては以下。
- 阪急・阪神で全駅ホーム柵設置予定
- 阪急で座席指定サービスを2024年度に導⼊予定(阪神は今後の導入を検討予定)
- なにわ筋連絡線・新大阪連絡線等の新線計画推進
- 阪急神戸線の武庫川新駅の基本合意(2022年11月)
- うめきた2期地区開発事業における「ホテル阪急グランレスパイア大阪」出店(グラングリーン大阪)
- 芝田1丁目計画(阪急ターミナルビル・阪急三番街・大阪新阪急ホテルの再開発整備)
鉄道趣味的には、2024年度に導入予定の有料座席指定サービスが気になるところと思いますが、決算では既出情報から目新しいものはありません。
また、なにわ筋連絡線・新大阪連絡線の新線計画も注目するところですが、決算ではほぼ情報無しです。2031年の開業を目指すということですが、何もない更地に建設するわけでもないので、あと8年で何とかなるのか微妙なところです。
編集後記
有料座席指定サービスも新線計画も楽しみね😺✨
ところで、有料座席指定サービスの具体的な動きが無いけど、大丈夫かしら?😺
関連リンク
2023年3月期 決算補足説明資料|阪急阪神ホールディングス
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