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【大阪メトロ】何故、このタイミングで2形式も導入するのか?(400系・30000A系を中央線に新造導入)

大阪メトロは、2021年12月9日のリリースで新型400系と新造車両30000A系の導入を発表しました。一社で2形式導入はたびたび見られますが、一路線に2形式は非常に珍しいです。

しかし、何故、このタイミングで2形式も同時に導入するのでしょうか?




400系

400系は新技術を盛り込んだ車両となっています。

400系の導入目的は20系と24系の置き換えです。タイミングとしては大阪万博ですが、製造後40年近く経過している20系と、製造後30年近く経過している24系の置き換えが主目的です。

【概要】
 400系車両は、大阪・関西万博を契機に新世代車両として開発を進め、安全性はもとより移動手段としての新機能と高レベルの快適性を追求し、さらに、デザインも「乗って楽しい」を形にしました。
 また、車両の低床化、優先座席の明確化など、当社が進めているバリアフリー化も踏襲するだけでなく、更なる安全性、乗客サービスの向上を進め、非常時に乗務員室で確認が可能な車内防犯カメラの設置、ワイド液晶ディスプレイによる4か国語での運行案内、全車両への空気浄化装置や車内Wi-Fiの設置等、様々な特徴を随所に取り入れるとともに、車両状態の常時モニタリング、自動運転実証実験等の新たな技術開発にも取り組んでいます。

新型車両400系と新造車両30000A系を中央線に導入します(新型車両400系について)|大阪メトロ

外観イメージを見ると、一言で言えば珍しい奇抜なデザインとなっています。30000系では流線形を取り入れた三次元構造の前面形状でしたが、「宇宙船を意識させる未来的デザイン」を採用しているためか、400系では一転して直線的な角ばった様な構造になっています。

デザインは奥山清行氏が担当し「SF映画に出てくる宇宙船のような車両にできた」とコメントされています。

バリアフリーも取り入れているのは特徴の一つですが、「自動運転実証実験等の新たな技術開発」とあることから、将来的に中央線や他路線にも自動運転を導入することが考えられます。



車内も色々と新要素を盛り込んでいますが、

  • 1編成のうち1両をクロスシート
  • ハイバック座席(背もたれが高い)
  • 車内吊り広告の廃止

が注目ポイントでしょう。

1編成のうち、1両をクロスシートにすることで、

目的地に向かって移動するワクワク感や、パーソナルスペースの確保による安心感を提供します。

新型車両400系と新造車両30000A系を中央線に導入します(新型車両400系について)|大阪メトロ

とあることから、車内空間の価値向上を目的としていることが読み取れます。方向固定(転換できない)クロスシートなのと、1列+1列で着席数が少ないため、居住性が気になる点ではありますが…。

ハイバック座席(背もたれが高い)は首都圏の車両では徐々に導入が始まっているので、トレンドを取り入れていることが分かります。その分、窓の底辺位置が若干高くなっている様にも見えます。

また、車内の吊り広告を廃止するとしている点も注目ポイントの一つです。完全に広告を廃止するとは書かれていませんので、JR東日本・E235系のようにモニタータイプの広告への切り替えも考えられます。

仮に、広告差し替えの人件費を圧縮してモニター広告に切り替えることで、どれだけの収益性が見込めるのかは実際に運用してみないと分かりませんが、中央線で運行する400系で試験運用してみて、効果が上々なら他路線に適用することも考えられます。


30000A系

御堂筋線や谷町線で導入されている30000系の実績をフィードバックしてマイナーチェンジを施した30000系が、中央線用車両・30000A系として導入されます。

30000A系の導入目的は万博を見据えた輸送力増強です。万博では一時的に輸送需要が爆上げとなりますが、万博後は落ち着くため、谷町線に転用となります。

【概要】
 30000A系車両は、2011年に御堂筋線で運行を開始した30000系車両を中央線用車両としてさらに改良しました。
 車両の低床化、優先座席の明確化など、当社が進めているバリアフリー化を踏襲するとともに、お客さまにより便利で快適にご利用いただくために、車内の乗降口上部にワイド液晶ディスプレイを設置し、乗換案内や駅設備案内等をわかりやすく表示し、4か国語による案内を行えるようにしました。このほか、全車両への空気浄化装置、車内Wi-Fiの設置や一部の乗降口横のスペースを拡大してベビーカーや大きな荷物を持ったお客さまにもご利用いただきやすくするなど、様々な特徴を随所に取り入れ、大阪・関西万博を見据えた車両にしています。

新型車両400系と新造車両30000A系を中央線に導入します(新型車両400系について)|大阪メトロ

デザインは路線カラーを帯にしていた御堂筋線・谷町線車両とは異なり、軽やかでポップなイメージのデザインです。

車内も外観デザインに合わせていると同時に、荷駄高さの調整(100ミリ下げ)や、乗降ドア横の立ちスペースを設けるなど、御堂筋線・谷町線のフィードバックが盛り込まれています。


2形式導入の理由

大阪メトロは新型の400系と既に導入されている30000系の増備車・30000A系の導入です。パッと見て同じ路線に2形式導入というところに疑問符がつきますが、400系と30000A系で導入の目的が異なります。

先述しましたが、400系は現役車両(20系・24系)の置き換えで、30000A系は万博の一時的な需要対応です。

大阪メトロ
新導入形式
導入目的 万博後
400系 20系・24系の置き換え そのまま中央線で運用
30000A系 万博時の輸送力増強 谷町線に転用

万博は世界各国から多くの人が来場する1ので、一時的に都市人口が増えます。1970年の大阪万博や、2005年の愛知万博も多くの人が訪れました。

万博のような国家レベルのイベントの場合、平時の輸送量を遥かに上回る需要のため、既存の車両数では対応しきれません。1970年の大阪万博でも、阪急では千里線で増発増発&増発ということを繰り返したり、一時的に駅を設置する等、色々と対策を立てて、爆発的な需要を捌いています。

1970年の大阪万博では、イベントに無関心の筆者の父2でさえも、「お父さん、月の石を見に行ったで(ドヤ顔😼)。めっちゃ人おったなあ。(月の石みたけど)ただの石やったわ。あーこれが月の石か~って感じやったわ。」と述べているくらいなので、国内からも多くの(ミーハーな)人が会場に集中します。
ちなみに、当時、有休なんてものはことごとく却下されていたみたいですが、「月の石を見に行く」という理由で有休を申請したら、即承認されたみたいです。凄い時代ですね😺

そして大阪メトロのプレスリリースにも記載があります。

30000A系は、万博開催期間中の必要な輸送力を確保するため、輸送力増強として導入し、万博後は谷町線に転用します。

新型車両400系と新造車両30000A系を中央線に導入します|大阪メトロ

万博で一時的に発生する爆発的な需要を捌いた後、中央線で導入された30000A系は谷町線に転用します。

なので、一時的な輸送力増強して、波が引いたら転用するという戦略であれば、御堂筋線・谷町線で導入実績のある30000系をマイナーチェンジした車両の方がベストと考えたのでしょう。


400系のカラーコード

プレスリリースの画像から400系で使用されているカラーコードを抽出しました。元画像にちょっとムラがあったので、目視で一番ムラが無さそうな部分から抽出しています。

カラー 16進数 RGB
#1e935f R:30
G:147
B:95
#2337e6 R:35
G:55
B:230

ラスター画像から抽出したので、ベクター画像が出てきたら再抽出します。

関連リンク

新型車両400系と新造車両30000A系を中央線に導入します|大阪メトロ

万博アクセスへ新車両導入 大阪メトロ、自動運転も実験|京都新聞

【超速報】新型車両400系のデザインが発表!!2023年よりデビュー!|Osaka-Subway.com(個人サイト様)

【速報】中央線用30000A系を発表!!2022年7月よりデビュー!|Osaka-Subway.com(個人サイト様)

【速報】大阪メトロ新型車両400系、30000A系が発表されました!|大阪メトロポリス(個人サイト様)

【大阪メトロ】万博見据えた“宇宙船”新型400系・新区分30000A系を中央線に投入|鉄道ファンの待合室(個人サイト様)

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鉄道イベント情報(鉄道コムtetsudo.comより)

日付 イベント
4月16日(火)
4月17日(水)
4月19日(金)
4月20日(土)
4月21日(日)
4月22日(月)
4月24日(水)
4月25日(木)

注釈

  1. というか外貨を獲得するためにガッツリ宣伝して、あの手この手で色んな意味でギリギリな旅行ツアーとかも組んで何が何でもお金を落としてもらう。
  2. パパねこ😺のこと。趣味は散歩・競馬・ゴルフ・YouTube。最近、ちょっとだけ家事を手伝ってくれる。当時は京阪の萱島に住んでいた。