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京成本線の荒川橋梁架替工事、しれっと13年延期されてしまう

京成の設備投資計画でも発表された、京成本線荒川橋梁架替工事ですが、国土交通省関東地方整備局のフォローアップ委員会で事業費と工期の変更が発表されています。当初、2024年完了見込みだった計画が、13年延長されて2037年完了見込みに変更されました。




荒川橋梁架替工事の変更点

まず、京成本線の荒川橋梁架替工事の目的。荒川橋梁とその周辺堤防は洪水時に越水の危険性があるため、橋梁の架け替えと切り欠き部の堤防を嵩上げするためです。現在、国土交通省が事業主体となり、用地買収を進めています。

しかし、2021年12月1日のフォローアップ委員会で、事業費および事業期間の変更が議題に上がり、承認されています。

変更点 変更前 変更後 変更理由
事業費の変更 364億円 730億円 ①地域意向による架替ルートの見直し
②本体構造や施工方法等の見直し
事業期間の変更 2024年 2037年 詳細設計を踏まえた工期見直し

事業費が倍増となっていますが、工期13年延長と考えると割と安そうな印象も見受けられます。ただし、まだ着工していないので、更なる増額と工期延長もあり得ます。


事業変更の要因

事業費変更の主な要因を以下としています。

  • 事業着手後の橋脚基礎工の根入長変更のため増(+38億円)
  • 事業着手後の本体工の増(+65億円)
  • 事業着手後の仮設工(仮構台、仮土留工、工事桁等)の増(+170億円)
  • 事業着手後の既設変電所移設(新設・撤去)の増(+20億円)

端的に言えば「想定よりも~」という決まり文句になります。

どの変更も巨額な事業費増ですが、根本要因としては橋梁ルートの変更です。

国土交通省関東地方整備局リリース資料15ページより

関東地方整備局の資料にもある通り、橋梁を架け替えるルートを変更しています。

当初計画では、新たに用地を取得して、そこに高架線を建設し、一気に切り替える方針でした。しかし、周辺の意向により高架線用の新用地取得を実施せず、既存の線路から段階的に高架線に切り替える方針に変更となっています。

国土交通省関東地方整備局リリース資料16ページより

また、ルートに引きずられて、

  • 変電所設備の移転
  • 荒川橋梁までの各地上橋梁の建設位置変更

が発生しています。上記2点の発生により、既存の線路から近い場所に新線を建設するため、工事の難易度も上がります。

国土交通省関東地方整備局リリース資料17ページより

変電所の移転そのものは近距離ではありますが、正常に供給可能な状態までの綿密な試験稼働が必要なため、変電所移転の単体だけ見ても、相当な工期を要すると考えられます。


編集後記

災害対策のために早期施工を目指していたはずですが、用地取得が難航したことからか、工期が13年も延長となっています。延長した間に災害が発生しないことを祈るばかりですが…。

関連リンク

令和3年度 第1回 フォローアップ委員会(令和3年12月1日)|国土交通省関東地方整備局

荒川下流特定構造物改築事業(京成本線荒川橋梁架替)|国土交通省関東地方整備局

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