阪急阪神ホールディングスの株主総会で話題(ネタ)になり、各種メディアに取り上げられてしまっている、「あの球団の色やめてくれ」という阪神の車両のカラーリング。その根源はどこにあるのかという話です。
根源は9300系
結論から言うと、ジャイアンツカラーを採用したのは、2001年3月10日に登場した9300系です。
赤胴車と言われる急行系車両のイメージを一新するため、8000系までは下半分にバーミリオンを採用していましたが、9300系から上半分にプレストオレンジを採用するというカラーリングの変更を行いました(「プレスト」はイタリア語の演奏記号で、「極めて速く演奏せよ」という意味)。
これが、「あの球団の色やめてくれ」の根源となっています。
とは言え、9300系は3編成の製造で終わったので、9300系に乗車することは確率的に低いと思いますが、あろうことか、阪神の車両のうち最大勢力である8000系にもジャイアンツカラーにしました。
8000系は19編成が在籍しているため、9300系の3編成と合わせて合計22編成がジャイアンツカラーです。そうなると、ジャイアンツカラーの車両に遭遇してしまう確率は飛躍的に向上してしまいます(特別塗装することもあるので、たまに確率は減りますが、焼け石に水ですね)。
その結果、現在も一部の阪神タイガースファンの心をえぐっているとも言えます。
とは言え、赤胴車の時点で物議があっても…?
そもそも、赤胴車の登場は1958年。3301形・3501形から車両の下半分がオレンジ(正確にはバーミリオン)でした。
なので、もっと昔から紛糾しててもいいとは思いますが、8000系登場時以前の赤胴車はバーミリオン系統だったので、それほど名前も言いたくない『あの球団』(読売ジャイアンツ)を連想させない…ように思えます。ひょっとすると、阪神タイガースファンの中には読売ジャイアンツを(勝手に)連想しまい、憎くて憎くて仕方なかった人がいるかもしれません。
とまあ、赤胴車の時点で熱い思いがくすぶっていたのかもしれませんでしたが、9300系のカラーリングで読売ジャイアンツのオレンジに近づいたというのが、昨今の株主総会で話題となっている「ジャイアンツカラーの車両やめてくれ」のキッカケになったことは否めません。
「Wikipediaに記載されているソース不明の情報」ということを前置きさせて頂きますが、「2001年の株主総会で問題になった」とあるくらいです。2001年3月に9300系が登場し、同年6月の株主総会にぶつけて来ています。これが本当なら、阪神タイガースファンの行動力は凄まじいものです。
一方、当時の阪神タイガースの成績は、1998年から2000年のシーズンは3年連続でセ・リーグ最下位です。そして、2001年5月終了時点のシーズン成績は19勝29敗で借金10。「成績の鬱憤を晴らすために、株主総会で取り上げてストレス発散」という気持ちは分からなくもない…いや、そのいちゃもんの付け方はよくわかりません。
株主総会で取り上げられた甲斐もあって、一念発起…というわけではなく、ジャイアンツカラーの9300系が登場した2001年シーズンは、57勝80敗3分で、4年連続最下位となりました。
編集後記
本線の急行系、タイガースカラーにしたら、今後の株主総会対策にはなるわね😺
でも、タイガースカラーにしちゃったら、スポーツ新聞が毎年擦ってくれなくなって、話題性が無くなるから、無料の宣伝じゃなくなるわね😹
参考文献
『鉄道ピクトリアル No.940 2017年12月臨時増刊号 【特集】阪神電気鉄道』 株式会社電気車研究会